パナマで働くには?日系企業の駐在員求人や現地採用の就職事情とビザ申請について

太平洋とカリブ海を結ぶ海上交通の要所である世界的に有名なパナマ運河があるパナマは、タックスヘイブンの国としても知られています。

摩天楼がそびえるパナマシティは、旧市街には趣のあるスペイン統治時代の面影が残され、新旧世界が混在する魅力的な街です。ここでは、そんなパナマで働く際にあたって、知っておくと助かる就労ビザや就職事情と求人についてご紹介致します。

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パナマで働くには?パナマの就労ビザについて

有効な日本国籍のパスポートを擁し、観光や語学学習を目的としてパナマへ入国する場合、180日以内の滞在であればビザは要りません。ただ、500USドル相当以上の所持金と往路の航空券が必要となるので注意が必要です。

また、アメリカ経由でパナマに行く際には、渡航の72時間前までに、ESTA専用のウェブサイトから渡航認証を取得してください。ここでは主にパナマの就労ビザについて、以下ご説明致します。

パナマの就労ビザの種類や期間について

パナマで働くには、就労ビザに該当する労働許可証と現地で暮らす権利を得るために居住許可証が必要となります。居住許可証には、一般的な居住許可証に一時滞在許可証や永住査証、リタイアメントビザなどがあります。

そこで、ここでは先ず労働許可証、次の項で居住許可証について、解説致します。

労働許可証

パナマで就労するには、日本の厚生労働省にあたる労働省にて、労働許可証の申請取得が必要となってきます。1年毎の更新制となっているので、たいていの場合、就業先の総務や人事のようなコーポレートスタッフが手続きをしてくれるでしょう。カテゴリー的には、パナマで働く一般用の労働許可証と考えてみてください。

無期限労働許可証B

10年間、合法的に滞在した人が申請資格を得られるのが無期限労働許可証です。以下でご説明致しますが、パナマの現地で暮らすために必要とする居住許可証に加え、上記の一般用の労働許可証を取得して10年間の条件を満たした人が該当します。

パナマの居住許可証の種類や期間について

パナマ入国後に中長期的滞在する場合、イミグレーション・オフィス(移民局)にて、目的に合わせて申請致します。

(一般的な)居住許可証

ここでは、パナマで暮らすにあたって必要な(一般的な)居住許可証・一時滞在居住許可証・永住査証について、以下ご紹介致します。

駐在員

日本や外国にヘッドオフィスを構える外資系企業の駐在員が対象となります。最長6年間まで延長が可能で、労働許可証のカテゴリーの中の無期限労働許可証を取得するには、ほかの居住許可証などとの組み合わせが必要となりそうです。

雇用

労働許可証の中の分類で「雇用」とされていますが、簡潔に言えば、パナマでの現地採用の就労ビザです。最長6年間まで更新が可能で、1年毎の更新制となっています。月額850USドル以上で、会社における外国人就業比率が10%以内となっています。

6年経過後は、永住権の申請資格が得られます。ちなみにパナマの法定通貨はバルボアですが、同じレートのUSドルが流通していて、つまり1バルボア=1USドルです。

マラケシュ協定雇用

マラケシュ協定は、1994(平成6)年にモロッコのマラケシュで作成されたもので、略称はWTO設立協定などと言います。最長6年間まで更新で、1年毎の更新制が可能で、上記の「雇用」と同じく、現地採用向けになります。パナマ人社員が10人以下で、月額給与千USドル以上と言った定めがあります。

そのほかエスニックグループ企業を対象とした「SEM・多国籍企業地域法適用」やパナマへの「投資」、パナマ人と婚姻した配偶者に対して発給される居住許可証があります。

一時滞在居住許可証

滞在期間1年間ですが、最長5年まで更新可能な何度でもパナマに出入りできるマルチプルビザです。入国後イミグレーション・オフィスにて切替え申請が可能で、目的に応じた各種証明書類と無犯罪証明書などが必要となってきます。

永住査証

「一般用」は居住査証にて、6年間以上の居住実績がある人が対象となりますが、それほど難しくなさそうです。「専門職用」は、パナマ人のみの就業が法律で定められている職業は対象外となっています。日本を含めた友好46ケ国の国籍者のみ対象となっていて、申請後2年を経て発給されるので、気長に待ちましょう。

パナマの就労ビザの申請の難易度

パナマの就労ビザ申請の難易度が高いと聞いたことはありませんが、現地で滞在資格を変更する際には、弁護士による代行申請が義務付けられています。いずれにしてもパナマの労働許可証のルールに従い、おおかた就業先の総務や人事のスタッフがフォローしてくれるでしょう。



パナマの就労ビザの申請に必要な語学力

パナマの就労ビザの申請に必要な語学力に関して、定めがあると今まで耳にしたことがありません。公用語がスペイン語のパナマでは、ジャマイカ英語を話す、あるいは先住民の言語のクナ語を母語とする人々が少なくありません。

都市部の富裕層に高学歴層や外国人旅行者が多い観光施設では英語が使われ、就業先によって必要となる言語が異なってきます。

パナマの就職事情と求人について

 外務省や日本貿易振興機構(ジェトロ)のホームページによると、パナマの在留邦人数は388名、日系進出企業数は約80社です。

日系企業の主な進出先は、世界有数の自由貿易区であるコロン・フリーゾーンです。ここでは、パナマの駐在員求人や現地採用などついて、ご紹介致します。

日本におけるパナマ系企業

ニクソンショック以降の1970年代、日本でも大手海運業者を中心に運航コストのドル化を図るために便宜置籍船が増加する傾向が見られました。

船主は日本の会社でも船籍はパナマと言った便宜置籍船が多いのは、パナマが世界有数の海運国だからです。日本の船の約6割がパナマ船籍で、フィリピンやインドネシアなど発展途上国の外国人船員が乗務する構図がみられます。

日本郵船

日本郵船の自動車専用船「アリエス・リーダー」の側面には、NYK LINEの名前が刻まれ、日本とパナマの関係を象徴しています。日本郵船は、パナマの通貨のバルボアとUSドルの通貨が1:1で流通しているので、為替リスクの軽減をメリットの一つに挙げています。

川崎造船

世界国別船舶所有数ランキングで、ギリシャに次ぐ世界第2位なのが日本です。日本郵船と同じく日本三大海運会社の中の一つに数えられる川崎造船もパマナ船籍の船を擁しています。川崎造船が船主で、パナマ船籍の5,000台積み自動車運搬船「SHANGHAI HIGHWAY」は、日本が世界に誇る自動車産業の輸送部門で、大きな役割を果たしています。

パナマの現地採用

現地採用で頑張っている日本人の主な職種をあげると、エンジニアや物流関連のスタッフ、観光業関連になります。また、在パナマ日本大使館やジャイカ事務所に現地採用された人たちもいますが、芸術家として活躍している人もいるほどで、パナマの懐の広さが伺えます。

旅行業及びWeb関連など

日本人旅行者相手の観光施設のスタッフや通訳の仕事は、パナマでも人気です。パナマに本社を置くオンリーワンドラベルでは、一年を通じて人材を募集していて、内容は以下のURLをご覧ください。

https://onlyone.travel/about-only-one-travel/recruit/

ランドオペレーター

下記企業では、パナマでのランドオペレーターの求人が過去に掲載されていました。向上心のある明るい性格の人を希望していて、スペイン語ができることが必須条件となっています。

http://panamatourstravel.com/

JICA(独立行政法人国際協力機構)

パナマで働くための情報は、インターネットやパナマ日本人会、パナマシティに留学しながら口コミによるものがほとんどです。また、在パナマ日本大使館から徒歩圏内のところに、JICAパナマ事務所があります。パナマの現地で働いてみたいと考えている人は、青年海外協力隊やシニア海外協力隊の募集要項に目を通してみてください。

パナマの駐在員求人

パナマは西欧諸国の先進国並みに一人あたり名目GDPが高いですが、大きな所得格差があります。言い換えれば、物価が安いのはいいのですが、製造業の最低賃金はUS600ドルほどです。

日本人の現地採用では、最低賃金と言うことはほとんどないと言えますが、実際に諸外国同様に駐在員待遇の方が恵まれています。

製造業

トヨタにパナソニックや東芝に代表されるように、日本の製造業の有名どころと、言われる大企業がパナマにも拠点を構えています。パナマで製造業に限らず、海外駐在員として働くには、転職サイトや転職エージェントとの活用が特に有効と言えます。

物流輸送業

パナマにも拠点を置く、日本三大海運会社の中の一つに数えられる日本郵船は、三菱グループの中核企業です。そのほか物流輸送業では、香川県高松市に本社を構えるタダノがパナマに現地法人を置いています。タダノは、建設用クレーン・車両積載形トラッククレーン・高所作業車などを製造販売する世界最大手級の建設用クレーンメーカーで、パナマほか約20カ国に進出しています。

銀行業

パナマはスイスに次ぐ世界で2番目の大きな金融機能を擁する国であり、100社ほどの銀行が現地に拠点を置いています。現在、三井住友銀行がニューヨーク支店の出張所として、コロンビアのボゴタに営業拠点を構え、パナマをはじめ中米をカバーしています。また、三井住友銀行と同じく日本三大メガバンクの一つである、みずほ銀行がパナマへの事業へ積極的に融資しています。

最後に

パナマの一人あたり名目GDPは34,300ドルで、G7のメンバーの一つであるイタリアと同じぐらいです。交通費や食料品が安く、日本人が一般的に現地で働くにあたって、経済的なストレスはあまりありません。

「コーズウェイ」と呼ばれる海に向かって3つの島を結ぶ道路を車で走りながら潮風を浴びると、まるでスクリーンの中にいるような臨場感を味わえます。思わず暮らしてみたくなるそんなパナマで働くには、JICAへ応募する、あるいは転職エージェントの活用が最も効果的です。

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