日系企業進出数ランキングが世界第19位のロシアは、世界一の国土を擁する大国として知られています。同盟国ではないのであまり欧米諸国のように報道がされませんが、ロシア国民を対象にした自国の調査によると、日本は世界で2番目に信頼出来る国と言う結果が出たそうです。
人口が1億4,400万人ほどの巨大なマーケットで、国民性としては忍耐強い性格で、日本との相性も良いと言われています。ここでは、ロシアで働く際に当たって、知っておくと役に立つ就労ビザや就職事情と求人について、ご説明致します。
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ロシアで働くには?ロシアの就労ビザについて
ロシアは観光の場合でもビザが必要となり、入国回数に関わらず、観光ビザの最大有効期間は 30 日間になります。ロシアの観光ビザを取り扱っている旅行会社で、取得する人を多く見かけます。また、バウチャーを専門業者に発行して貰い、ロシア大使館にオンライン申請を行うことも出来ます。その際には、ロシア大使館へ行って、パスポートと書類を持ち込み、後日受け取りが取ります。
なお、外国人がロシアで働く場合、就労ビザにあたる「普通労働ビザ」の取得が必要とされています。ここでは、主にロシアの就労ビザについて、以下順を追って、ご説明致します。
ロシアの就労ビザの種類や期間について
ロシアの就労ビザには、有効期間90日までのシングル、或いはダブルビザに加え、有効期間が1年から3年までのマルチプルビザがあります。また、前述の就労ビザを取得している配偶者、もしくは21才以下の子供に関しては、優遇措置が講じられています。内容は、ロシアへの渡航を希望する日本国籍所有者に対し、一旦在日ロシア大使館が有効期間3か月までのシングルビザを発行します。
その後、関連機関が上記に該当する条件の者に対して、ビザが有効な全期間を引き続きロシアに滞在する権利を与え、有効期間3年までのマルチプルビザを発行してくれます。
- 就労ビザ(シングル)・・・有効期間90日間ですが、出張であれば兎も角、駐在員や現地採用の場合は、一般的にはあまり馴染みがないと言えます。
- 就労ビザ(ダブル)・・・1回に付き、有効期間90日間就労滞在が可能で、2回目の再入国が出来ます。2回目も同じく1回目同様に最大90日間就労滞在出来ます。
- 就労ビザ(マルチプルビザ)・・・有効期間が1年から3年までなので、駐在員や現地採用のほとんどの人たちがお世話になる就労ビザになります。
ロシアの就労ビザの申請について
外国人を雇用する際には、以下の3つの書類が要求されます。
- 招待状
- 外国人雇用許可
- 外国人雇用契約に基づく個別の労働者の雇用許可
招待状は、受け入れ先である事業主の申請で、内務省移民総局が発行します。外国人雇用許可については、一定の人数内において外国人を雇うことを認める書類が必要です。
なお、雇用許可取得要件の免除される場合があり、対象者は主に高度熟練専門家とイノベーションセンター・スコルコヴォに該当する人たちです。上記の雇用許可証が不要なだけでなく、ロシア語等の基礎知識の試験を受ける必要がありません。
高度熟練専門家とは、月々の所得が16万7,000ルーブル(1ルーブルが日本円で、1.7円で計算した場合に283,900円)を超える外国専門家です。言い換えれば、外国法人の駐在員事務所・支店に勤務の人が対象となります。特別経済区の入居企業により雇用されるHQSについては、上記の半分ぐらいの収入が対象となります。
研究開発の促進策であるイノベーションセンター・スコルコヴォ(モスクワ郊外)を中心とした、言わば経済特区の奨励体制の一環として、優遇されたものです。イノベーションセンター・スコルコヴォの入居企業による外国人の雇用については、高度熟練専門家と同じく労働許可証が不要で、ロシア語等の試験を受ける必要がないです。
ロシアの就労ビザの申請の難易度
ロシアの就労ビザの申請は、一般的に受け入れ先の会社の総務や人事と言った管理部門のスタッフが行ってくれます。現地採用等でロシアの民間企業に就職の場合、少数ですが、自分で行うこともあります。その際には、観光ビザ同様に就労ビザの取得を代行で行っている専門業者に依頼するケースが多く見られます。
ロシアの就労ビザの申請に必要な語学力
現地採用で就労ビザを申請する場合には、ロシア語・ロシア歴史・ロシア法基礎知識の試験を受ける必要があります。3つの試験は、人によって異なりますが、40分~1時間半程度で終わると言われ、それほど難しくはありません。
合格ラインとなる語学力の目安が、ロシア語のA1~A2レベルです。A2レベルの語彙数が1,300前後なので、英検で言えば、3~4級程度です。
ロシアの就職事情と求人について
ロシアに進出している日系企業数は、450拠点に上ります。会社での数で言えば、ジャパンクラブ加盟企業・団体数(在モスクワを中心とする日系企業が加盟する団体)が約190社、サンクトペテルブルク日本商工会には50社ほど加盟しています。
日本から一番近いヨーロッパと言われるウラジオストックにも多くの企業が進出し、ロシア全体で300社を超える日系企業が進出しています。外務省の調べるによると、ロシア在留邦人数は約2,700人です。ここでは、ロシアの駐在員求人や現地採用などついて、ご紹介致します。
日本におけるロシア系企業
セキュリティソフトで世界第3位のシェアを誇る「カスペルスキー」が、ロシアの企業と言うのは、日本ではあまり知られていません。ロシアの首都モスクワにヘッドオフィスを置き、1990年代に入り本格的にアンチウイルスソフトの開発に取り組みました。ネットでもよく見かけることもあり、利用者も多く、日本の現地法人の株式会社Kaspersky Labs Japanが、東京の秋葉原界隈にあります。
カスペルスキー同様に「Dr.Web (ドクターウェブ)」も世界的に評価が高い、ロシアが生んだセキュリティソフトです。1992年(平成4)年にリリースされ、2010(平成22)年から現地法人の「Doctor Web Pacific」が、東京都港区西新橋でオフィスを構え、業務を行っています。
東欧一の規模を誇る「アエロフロート・ロシア航空」は、東京都港区虎ノ門に、日本支社があります。成田空港からのモスクワ便が毎日1便運航し、オーロラ航空とのコードシェアで新千歳空港にも乗り入れています。なお、オーロラ空港は、成田空港や千歳空港とユジノサハリンスク間等で、定期便を就航しています。
シベリア航空は関空とウラジオストク間、成田とイルクーツクやノヴォシビルスク間を結んでいます。チャーター便で有名なのは、ウラジオストク航空ですが、ロシアと親交のある日本の自治体がよく利用しています。ロシアと日本の主要都市の間で運行される航空便は、よく変更があるので、ご利用の際には事前にチェックが必要です。
1929(昭和4)年に設立された歴史のある旅行会社の「インツーリスト」は、かつてのソ連時代には、外国人旅行客を扱う唯一の国営旅行会社でした。現在は社員8万人を抱える東欧最大の旅行会社であり、イギリスにフランスやカナダにも現地法人があります。日本では、1993(平成5)年に、「インツーリスト・ジャパン」のオフィスが東京都千代田区に置かれ、今も営業を続けています。
ロシアの現地採用
モスクワではロシア語が出来なくても英語だけで仕事が出来る会社もあり、現地採用が気になるところです。女性に人気の日本語教師ですが、教えるコマ数や学校によっての給与査定が違うので一概に言えませんが、日本円換算で10万以下~15万円程度と言われています。物価は大雑把に言えば日本の半分程度で、ロシアでもエンジニアや和食の調理人等、手に職がある人は仕事が見つかりやすく、給料もかなり良いようです。
ロシア語のレベルが日常会話程度以上であれば、営業職にカスタマーサービスや事務職に有利です。モスクワに拠点がある商社や物流関連の会社での現地採用での勤務では、高い英語力があると、ロシア語が求められないことがあります。
北海道に加え日本海側の新潟県や山陰等の自治体では、ロシア語が堪能な人を対象に、民間企業経験者を中途採用していることがあります。募集している職種に対して、民間企業の経験年数が5年以上と言うのが一般的なので、お見逃しなく。業務としては、国際チャーター便の運航計画に加え、国際交流や国際観光の推進、ビジネス面における公益の拡大等です。
ロシアの駐在員求人
ロシアに進出している日系企業は300社を超え、450拠点に上ります。代表的な都市で挙げられるのが、首都モスクワとロシアで最も美しい街で知られるサンクトペテルブルク、成田から3時間ほどでアクセス出来るウラジオストックです。
ロシア在留邦人数は約2,700人で、モスクワには日本人学校があります。サンクトペテルブルクとウラジオストックでは、各国の子ども達が学ぶインタースクールに通いながら週末には、日本人補習校で日本語の授業を受けることが出来るので安心です。
日本からの主要輸出品目は、自動車が第1位で、自動車用部品、ゴム製品に建設用・鉱山用機械と続きます。ロシアから日本への主要輸出品目の上位1~3位は、原油・液化天然ガス・石炭と言った資源エネルギーであり、第4位が非鉄金属、第5位が魚介類です。
ロシアに進出している日系企業の主な職種では、先ず挙げられるのが、自動車や電機メーカーと銀行や損保をはじめ金融関連の会社です。飲料に食品メーカーやアパレル関連、製薬会社や化学関連と言った、日本でもお馴染みの会社が多く進出しています。資源エネルギーを取り扱っているのが大手商社で、日本最大手のシンクタンクもモスクワにオフィスを構えています。
アパレルやラーメン店のチェーン店を展開する会社以外は、たいてい何年か日本で働いてロシアの現地へ赴任と言うのが、一般的です。エンジニアをはじめとした技術職と前職で海外営業や海外赴任の経験があれば、比較的早い時期にロシア駐在が可能の場合があります。
ロシアでの日本人駐在員は一定レベル以上の英語力かロシア語のどらからを、求められるケースがあります。ロシア語を話せると生活が便利なだけでなく、情報収集やコネクション作りにも最適です。
英語やロシア語がどれぐらいのレベルが必要なのか受け入れ先や職種によって違うので、そこでおすすめなのが転職エージェントの活用です。タイミングによっては、結構早い段階で、ロシアの駐在員求人のマッチング案件が見つかることもあり得ます。
ロシアで働くには?就職の進め方について
それでは、ロシアで働くにはどのような情報を集めて、どのようにして準備を進めていけば良いのでしょうか?
「ロシア掲示板(びびなびモスクワ)」などのサイトを利用して現地で自分自身で働き口を見つけることも可能ですが、ロシアである程度、長期的に働こうと考えている場合は、雇用主を見つけて、まずはビザの申請をしなければなりません。
ロシアで長期的に働く場合は、ロシアに支店がある日系企業に応募する方法が、もっともメリットが多く、ビザ申請に関してもスムーズに進むのではないでしょうか。
ロシア系企業の求人は、一般公開されている企業は非常に少なく、自分にあった職種を見つけることが難しい状況ですが、海外勤務に関しては非公開案件も多く存在しています。この非公開案件を見つけることで、自分にあった企業を紹介してもらうことが可能です。
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現地密着型の求人情報では、ロシアの日系企業では、どのような仕事があるのか、また給料の相場などをチェックしても良いでしょう。
最後に
2019年用のカレンダーで、ロシアのプーチン大統領が、日本で大人気になったのが、世界のメデイアでも報じられました。また、ブリヤート人をはじめ、日本人のルーツと言われる人たちが少なくないのもロシアです。
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