スイスで働くには?スイス系企業の求人と現地採用の就職事情や転職のポイント

スイスで働くためには、ほかの外国と同じように就労ビザが必要となります。スイス人とEU・EFTA加盟国以外の国民が、スイス国内で働くためには、労働許可証を取得しなければなりません。言い換えると、スイス人を最優先にして次にヨーロッパの人たちを優先する労働状況です。欧米やアジア方面で日本人が多い都市と比較して、現地で直接仕事を探すことが、特に難しい国です。

ここでは、スイスの気候や公用語、生活に関わる基本情報から、現地で働く際に事前に知っておくと便利な情報についてご紹介致します。

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スイスの基本情報について

実際の例で示すと日本の17時は、スイスでは同日の11時になります。日本とスイスの時差は8時間ですが、3月末から10月末に適用されるサマータイムの期間は7時間になります。公用語はドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4つになり、英語は共通語と言った認識の方が良いでしょう。

国連をはじめ国際機関が多く、かつてはアルプス観光などが人気でしたが、近年では総合力で世界屈指と言われるボーディングスクールが注目を集めるのがスイスです。そこで、スイスの就職について知っておくと助かる基本情報について、まとめてみました。

スイスの概要

国土は日本の九州と同じぐらいの面積のスイスの人口は、842万人です。ゲルマン民族が最も多く、短期労働者を含めると外国人は人口の約2割です。最も多い外国人では約30万人近くのイタリア人をはじめ、次にドイツ人、旧ユーゴスラビア連邦諸国出身者は全体で35万人前後に上ります。

スイスにおける宗教の割合はカトリックが人口の40%弱、プロテスタントが約35%の二つが大部分を占めます。そのほかトルコ系住民が約7万5千人住んでいることでイスラム教が4%、ヒンドゥー教にユダヤ教や仏教はそれぞれ1%未満です。

日本商工会議所登録の日系法人企業数が約200社、在スイス日本国大使館届け出の在留邦人数は、10.800人ほどです。代表的な都市で挙げられるのが首都ベルン、スイス最大の都市のチューリッヒ、世界的に有名な国際機関の本部が置かれているジュネーブです。

一人あたりのGDPはルクセンブルクに次ぐ世界第2位で、経済的にもとても恵まれている国です。同じく世界で最も競争力が高い国のひとつに挙げられ、金融資産が百万ドルを超える富裕層が人口の10%近くもいます。アジアでも有数の先進国となったシンガポールは、建国当時はイギリスや日本をモデルにしていましたが、現在はスイス型のシステムも取り入れています。

スイスの輸出相手国で第1位はドイツ、2位がアメリカで3位がイタリアです。日本への輸出の割合では約35%の医薬品が最も多く、精密機械類も30%以上です。スイスの輸入相手国の第1位はドイツ、2位がイタリアで3位がフランスです。日本からの輸入は化学製品全般の再輸出品、輸送用機器などが主に挙げられます。

日系企業の主な進出先はチューリッヒとジュネーブですが、欧米やアジア諸国と比べて製造業は少ないと言えます。卸売業を中心とした商業がメインで、永世中立国で低い法人税率に加え、柔軟な労働法に関わる法制度が外資系企業にとって魅力と言われています。

スイスの地理や気候について

日本と同じくスイスも四季が明確ですが、北海道や信州に似た気候と一般的に、言われています。冬は確かに寒いですが、最も過ごしやすい夏をはじめ快適な季節が多く、一年を通じて世界各国から旅行者が訪れています。

大まかに分けると、スイスの春は3~5月です。春の前半は防寒着が必要なほどまだまだ寒く、4月になると各地で咲きはじめる花のある風景を楽しめます。5月の都市部でも最低気温が10℃を下回ることは珍しくはないので、コートやセーターなどで体温調整をしましょう。

スイスの夏である6~8月は特に観光客が多い時期なので、海外就職の際には移動日が決まり次第、なるべく早めに航空券の予約を入れることをおすすめします。爽やかな季節で過ごしやすい日が続きますが、紫外線対策で女性の皆さんは、日本で普段使っている機内持ち込み制限内でスキンケア製品などを持って行くと安心です。

9月から山間部では紅葉の時期になり、11月には日本の冬並みに寒くなりますので、しっかりとした寒さ対策が必要となります。12月から本格的な冬に入りますが、ヒートテック製品を用意しておくと、いいでしょう。

ローザンヌをはじめ一流ホテルが多いスイスですが、意外にもドレスコートは明確ではなく、結構アバウトです。ただ、男性はネクタイに女性はドレスなど、4つ星以上のホテルや高級レストランでは、TPOに合わせた服装を心掛けた方が良いようです。

チューリッヒ

チューリッヒの最高気温は22℃、最低気温は-3℃、年間の平均気温は9.6℃で推移しています。緯度では北海道より北に位置していますが、冬の時期は札幌より気温は高めです。それでも氷点下になりますので、防寒対策はお忘れなく。

ジュネーブ

ジュネーブの最高気温は25℃、最低気温は-2℃、年間の平均気温は10.3℃で推移しています。冬のシーズンを東京と比較すると最低気温自体は3~5℃ほどジュネーブが低い程度ですが、体感温度は結構寒く感じます。

ベルン

ベルンの最高気温は23℃、最低気温は-4℃、年間の平均気温は約9℃で推移しています。山間部のスイス・アルプスの登山口やスキー場があるツェルマットなどでは、上記の都市部より冬は冷え込み、最低気温は-10℃近くまで下がります。日本で言えば札幌近郊や信州のスキー場界隈と変わらないぐらいの気温なので、それほど極寒とは言えないでしょう。

スイスの言語や公用語について

スイスで話される言葉が気になるところですが、全人口の約64%で主にドイツ語が使われ、地理的には北部と西部地域の人たちの主要言語です。ドイツ語に加えてフランス語の20%、イタリア語の6.5%、ロマンシュ語の0.5%が言語話者の比率になり、これら全部の4つが公用語とされています。

ドイツにフランスやイタリアなどに囲まれたスイスでは、大まかに地図を見て近接する国の言語がその地域で主に話されていると、先ずはイメージされてみてください。更に海外就職での赴任先の地域名が解り次第、主要言語を改めて突き合わせの意味も含めて、調べてみましょう。

英語に関しては、公用語と言うよりも国際語になり、ビジネスや各言語を主要言語とする人たちの間で共通に話される外国語になります。観光地や主要都市のホテルやレストランでは英語が話され、公共の交通機関でも表示されています。

気を付けておきたいのが、国連をはじめ国際的な機関が多いジュネーブです。英語同様に国連の公用語であるフランス語で業務を行う職員も多いため、スイス就職の際に使用する言語の確認は必須です。

生活する上で、地域によってはレストランのメニューなどで英語表記がない場合があります。それでもドイツ語にフランス語やイタリア語はいずれもアルファベット表記なので、飜訳アプリを活用していくと、次第に言語の繋がりも見えて来そうです。

ロマンシュ語に関しては、スイス南東部の山間部の高齢者で主に使われていて、メジャーな言語ではありません。存続危機を回避するため、言わば学術的な伝統文化の継承のような観点で保護されている、スイスの施策としての公用語と考えるに留めて良いでしょう。

スイスの物価と生活費について

2017年都市別生活コストランキングにおいてチューリッヒとベルンの2都市がベスト10に入る、スイスは世界的にみても物価が高い国として知られています。ちなみに東京は第3位、ほとんどの年でベスト3に入るほどです。そこで、日本との物価を比較してみるために、幾つかの実例を挙げてみます。

特に外食に関しては日本の2.5倍ほどの料金になり、ジュース類やビールは少し髙いと言った程度です。スーパーでの買い物は、日本より少し高めですが、野菜をはじめモノによってはスイスの方が少し安いです。

スイスの通貨は、ユーロではなくイギリスポンドに次ぐ世界第5位の取引規模を誇る、金よりも堅いと言われるスイスフランになります。ここ5年間、1スイスフランは日本円で105~125円で推移しています。以下の物価に関しては、計算の都合上だけでなく近年のレートで最も近い、1スイスフラン=110円でイメージしてみてください。

平均月収が約4,600スイスフラン、日本円換算で506,000円なので、日本より給料は良いと言えます。初乗りのタクシーの料金は6.5スイスフラン、宿泊費も日本より少し高めになります。エコノミーなホテルでも100スイスフランほどしますが、B&Bや1泊30スイスフランのユースホステルのようなリーズナブルな料金で利用できる、宿泊施設もあります。

スイスの家賃

スイスの家賃は東京都心よりも少し高いですが、最低賃金でも月収三十数万円で、その層は少数派と言われるほど収入が高い国です。ジュネーブやチューリッヒで働く際には要確認ですが、勤務先によって補助の割合が異なり、住宅補助が出る場合が多いようです。

都市部のジュネーブなどのワンルームで1,000~1,400スイスフラン、郊外まで足を延ばすと更に安くなります。家族向けのアパートメントだと市内の中心に住むか郊外か等住む場所によって主に異なり、相場はひと月1,400~3,000スイスフランです。

通勤面の交通費では住んでいる都市によって状況は幾分変わってきますが、スイスの方が安く感じる場合もあります。市内のトラムを利用で、片道30分ほどの区間のゾーン毎に指定された定期券を購入すれば、ひと月1,000スイスフランですみます。

スイスの電気代・水道代・ガス・インターネット

スイスのアパートメントでは、水道光熱費込みで家賃が設定されている場合がほとんどです。契約時に要確認ですが、冷暖房がそれほど必要でなく使用量が少ない月は、返金もあるそうです。同様にヒーターを多めに使う冬の時期には、アディショナルチャージが掛かることもあるようです。

大まかにはなりますが、水道光熱が家族世帯(3~4人住居)の場合で、一年で20,000フランです。1ヶ月換算だと、日本円にして2万円に達しない程度ですが、もちろん使い方次第ではもっと高くなります。また、入居契約時の際と更新時に水道光熱費を1年分、前払いの形を取る場合もありますが、いずれにしても確認をお忘れなく。

インターネットに関しては、スイス国内のプロバイダーに申し込むかWifiルーターを現地で購入するなどになります。太陽電池の活用により、電気代やガス代が不要のアパートメントがチューリッヒ州に誕生しましたが、今後さらに普及することが期待されています。

スイスの食事(レストラン・スーパー)

スイスの外食で一般的なレストランのランチで24スイスフラン~、マクドナルドで食事をしても14スイスフランほど掛かります。ビールは1本7スイスフラン、コーラなどソフトドリンクは4スイスフランを目安にされてください。

サンドイッチもパン屋さんで買うと高く感じますので、食費を抑えたい場合はスーパーでの購入が一番です。スーパーは肉や魚は日本より高めですが、野菜や果物に加え白米はスイスの方がやや安いです。牛乳1リットルが約1.5スイスフランですが、オーガニック製品だとヨーロッパらしく、高くなります。1.5リットルのミネラルウォーターは、1.3スイスフラン前後が目安となります。

DennerやCOOP prontoと言ったコンビニのようなお店も市内にはありますが、営業時間はおおよそ6時~23時で、スーパーほどは安くありません。ジュネーブ圏など住んでいる場所によってはスイスより物価が安いフランスのスーパーへ、週末1週間分買い出しに行く人たちも少なくは、ありません。

スイスの治安について

世界治安ランキングで毎年トップ10に入るスイスですが、気を付けておきたい点を幾つかまとめてみました。駅やバスターミナルと言った人の往来が多いところでは、スリや置き引きが皆無ではないので、一定の注意が必要となります。荷物を置いたまま席を離れる、夜間に人通りの少ないところの一人歩きなどは、極力避けてください。

スイスの終業時間は早いところで16時、遅くても17時30分と日本よりかなり早いので、夜出掛けても早めに帰る人が多いようです。スイスは高級レストランでもドレスコードを設けていないところも少なくないほどで、服装もシンプル派の人が多いです。派手な服装は目立ちますので、現地に合わせたスタイルで生活をする方が賢明です。

スイス人の特徴や国民性について

ドイツ系のゲルマン民族が多いだけあって、スイス人は日本人に似た真面目な性格の人が多いと言われています。勤勉で倹約家で、お金だけでなく時間の使い方にも厳しく、むしろ日本人が緩く感じる事もあるでしょう。

仲良くなるには一定の年数が必要と言われるほどスイス人は用心深いことで知られていますが、親しくなると助けてくれる情が深いところもあります。日本人や東南アジアの人たちとの大きな違いは、はっきり物事を言うこととディベートが好きな点です。

スイス人は2~4カ国語を話し、国際結婚の比率が4割で、多様性と柔軟性を兼ね備えた国民性と言っても過言ではありません。相対的にみても日本人との相性は良いと言われ、当初は警戒心の強さで冷たく感じる事もあるかもしれませんが、ビジネスでは一歩ずつ関係を構築していくと良いでしょう。

生活面で特に気を付けておきたいのが生活音で、終業が早いこともあり、夜遅く音楽をかけるなどは避けた方が無難です。一方ではお店でお金をちょっと上乗せされる、街角で絡まれると言ったことがほとんどないので、安心です。ただ、約2割を占める外国人の移民の中には、一部スイス人とは似ても似つかない人もいるので、注意が必要です。

スイスの代表的な企業一覧

日本に現地法人がある有名な企業と言えば、コーヒーなどで知られているネスレや、世界最大の女性下着メーカーでもあるトリンプインターナショナルが有名です。またスイスと言えば、高級腕時計でも知られるロレックスやオメガ、タグホイヤーなども挙げられます。

電機・家電・電子機器

  • ロジテック(Logitech International)
  • ABB(アセア・ブラウン・ボベリ)
  • ギーベリッツ(Geberit)
  • カバ・グループ(Kaba)
  • エリコン(Oerlikon)

自動車製造

  • KamKorp Microelectronics

重工業

  • セシュロン (Secheron)

化学、石油、産業財

  • チバ (スイス)(Ciba)
  • クラリアント(Clariant)
  • ジボダン(Givaudan)

航空

  • スイス インターナショナル エアラインズ(Swiss International Air Lines)

金融・保険

  • UBS 総合金融
  • スイス・ライフ(Swiss Life)
  • スイス・リー(Swiss Re)
  • チューリッヒ保険(Zurich Insurance)

通信

  • スイスコム(Swisscom)

ソフトウェア

  • テメノス(Temenos)

製薬業

  • アクテリオン(Actelion)
  • ノヴァルティス(Novartis)
  • ロシュ(Roche)

食品

  • ネスレ(Nestlé)
  • アリスタ(Aryzta)
  • バリーカレボー(Barry Callebaut)
  • リンツ&シュプルングリー(Lindt & Sprüngli)

銀行

  • クレディ・スイス(Credit Suisse)
  • ピクテ銀行(Pictet)

時計

  • インターナショナル・ウォッチ・カンパニー(IWC)
  • オメガ(Omega)
  • ロレックス(Rolex)
  • シュワルツ・エチエンヌ(Schwarz-Etienne)
  • スウォッチ・グループ(Swatch Group)
  • タグホイヤー(Tag Heuer)

スイスの就労ビザについて

外国人がスイスで働くためには、一般的に就労ビザが義務付けられています。労働環境としては、スイス人の雇用を最も優先し、次にEU・EFTA加盟国の国民であるヨーロッパの人たちになります。

スイスやヨーロッパの人たち以外で採用したい理由付けが必要となりますが、言い換えれば日本人にしか出来ない仕事も存在している筈です。簡単な実例で挙げれば、日本政府の出先機関の職員や寿司職人などになります。日系だけでなく外資系企業のエンジニアや研究職なども同様で、ほかの外国人より優秀と判断されるケースも少なくありません。

日系法人企業数が200社、在スイス日本国大使館届け出の在留邦人数が約10,800人の数字が示すように、多くの日本人が暮らしています。10,800人の大半は仕事関連なので、日本人にしか出来ない仕事が、それだけ多いと言うことでしょう。

ヤング・プロフェッショナルズ・プログラム

ワーキングホリデーや短期間のバイトで働くことは出来ず、ほかの欧米諸国や東南アジアの国々のように、現地で直接仕事を見つけるのも難しいのがスイスです。スイスには、ヤング・プロフェッショナルズ・プログラムというものがあります。参加条件は日本国籍を擁し、35歳未満であることが、先ず挙げられます。

国内の最低賃金を少し下回る場合もありますが、インターシップのような給料形態のものもあります。受け入れ先が所属する労働団体に依って異なりますが、見習いで月収2,200〜4,200フラン、熟練工クラスになると月給2,800〜5,300フランです。住居が確保されている、或いは家賃補助がある場合だと、待遇的に悪くはありません。

基本的には滞在許可は1年と定めがありますが、半年間の延長も出来るので、最大18ヶ月となります。詳しい内容は、東京の麻布にあるスイス大使館にお問い合わせください。

また、よく似た名称の国連事務局ヤング・プロフェッショナル・プログラムは受験時が32歳以下で、職歴不要で大卒以上の人たちがチャレンジ出来ます。そのほか応募資格としては、英語かフランス語で職務遂行が可能、ジュネーブ以外にウィーンやナイロビ勤務の可能性もあります。2年の任期ですが、勤務内容が優秀と認められると、雇用が延長されます。



スイスの就職事情と求人について

スイスで働くためには、海外駐在員として赴任するか、転職エージェントを利用して外資系企業に働くのが一般的です。中には日本人だからこそ出来る仕事の和食の調理師やヤング・プロフェッショナルズ・プログラムを利用して、働いている人もいます。ここでは、スイスにおける外資系企業や日系企業での就職と現地採用の諸事情について紹介致します。

日本におけるスイス系企業

ドイツ語やフランス語をはじめ4つの公用語と共通語の英語がビジネスでは使用されることも多いスイスは、世界中に拠点を構える多国籍企業が多いことで知られています。身近な存在なのが、世界60カ国以上で人材紹介サービスを展開する、転職エージェントのアデコです。

コマーシャルでもお馴染みなのが世界最大の飲料・食品会社のネスレで、主力のコーヒー製品に加え、お菓子屋やパスタ類なども日本の現地法人が取り扱っています。スイスブランドのタバコのフィリップモリスや腕時計のロレックスにオメガとタグ・ホイヤーの名前は、聞いたことがある人も多いでしょう。

従業員数が全体で約6万人を超える世界有数のバンクのUSBの日本現地法人は、新卒に加え中途採用も募集しています。世界第2位の再保険会社のスイス・リーやテレビでもよく見かけるようになったチューリッヒ保険、医薬品のロシュやノバルティスなどが、日本での存在感が増しています。

金融ソフトウェアのテメノスやセキュリティ製品を取り扱うカバ・グループ、電力機器・重工業のABBグループなど、日本に拠点を置くスイス系企業は数多くあります。たいていの会社では労働規約はスイス本社側に準じる形となりますが、日本現地法人では幹部は日本人を採用しながら、なるべく日本の習慣をリスペクトする傾向にあります。

スイスの現地採用

格安で宿泊出来るドミトリーがあってバイトが比較的見つけやすい都市が欧米にあり、物価の安い東南アジアを含め、現地採用で仕事を探すのもそれほど難しくない時代になりました。それでも現地での食事やホテルと言った滞在費を含めた生活費のコストを考え、ワーキングホリデー協定国ではないスイスは、現実的に現地採用はかなり厳しいと言えます。

スイスの現地採用になりますが、スイスにおける現地採用の多くは3つのパターンに分かれます。現地採用については、スイス情報.com で見つけることも可能です。なかでも、以下のような職種や業界の現地採用が一般的とも言えます。

和食調理人

そんな中で注目が集まるのが、就労ビザ取得に有利とされる和食の調理人です。和食のカテゴリーも広いですが、外国人に最もよく知られている日本食のひとつである寿司の職人は、期待が持てます。ただ、日本と違って和食の調理士会の紹介や飛び込みを受け入れる習慣が、スイスにはないので、事前にリサーチとコンタクトが必要でしょう。

求人は見かけられるようですが、くれぐれも就労ビザを取得してくれるところを優先順位にしてください。ウェイターのようにスタッフの募集もありますが、就労ビザ同様に賄い付きや住宅補助と言った、詳細も合わせて確認してみてください。

ホテル業界

ホテルの専門学校の教育課程において、グローバルスタンダードのおもてなしでは、世界屈指とされるローザンヌの各学校で学んでいる人も中にはいます。外国で学んだと言う経験を積みたい人には、北米やオーストラリアの専門学校で、ホスピタリティーやホテルマネジメントを学ぶのも悪くはありません。

一流へのこだわりやスイスをはじめとしたヨーロッパでのホテル就職を考えると、ローザンヌがいいかもしれませんが、学費は高いようです。

観光業界

ツェルマットやグリンデルワルトでの観光ガイド、観光地でのお土産屋さんのスタッフも募集している時があります。現地採用で気を付けておきたいのが、就業先の地域によっては公用語の特徴が強い点です。

スイスの中でも公用語がフランス語とイタリア語の地域は、実際のフランスとイタリアで話されている言葉と大差がないと言われています。ドイツ語圏の地域はスイスドイツ語と言われるぐらい個性的なので、標準語のドイツ語が話せる人は、違いを事前に調べておきましょう。

スイスの駐在員求人

スイスで働くのに特にメリットと思うのは、日系企業の海外駐在員として現地に赴任するか、世界各地に拠点を構える多国籍企業での就職になります。海外駐在員であれば、住宅補助が出る場合がほとんどです。給料以外に1日の出張費が3,000~7,000円のように日当がひと月分丸々、海外駐在の際に手当として付く会社もあります。一律赴任手当で給料に加算される場合もあるので、赴任前に詳細は確認してください。

外資系企業は実力社会の傾向があるのに比べ、日系企業は年齢や実績を考慮した内規による昇給や昇進査定が多いので、安心ではあります。

スイスにある日本商工会議所登録の法人企業数が約200、個人経営を含めると全体で300に上ります。日本たばこ産業で知られるJTは日本の研修職の人たちが、スイスのジュネーブで活躍されています。そのほかヤクルトをはじめとした食品に加え流通関連など、全体で約200社の法人の日系企業がスイスにあります。今後の展望としては、ITとサプリメント関連の会社の求人も増えると予測されます。

中央ヨーロッパに位置するスイスで働くと言うことは、いろんな文化に触れることが出来るので、仕事だけでなく生活面でも多くのことを吸収出来るでしょう。スイスは日本におけるダイレクト・インベストメントで65,000人の雇用を算出しました。一方、日本の直接投資でスイスでの雇用創出はその16分の1にも満たない程度です。

日・EU経済連携協定により、法人税の低いスイスは日本にとって、有望な投資先であることは間違いありません。スイス政府も日系企業の誘致に積極的であり、今後のスイスの駐在員求人の動きに目が話せません。

スイスで働くには?就職の進め方について

それでは、スイスで働くにはどのような情報を集めて、どのようにして準備を進めていけば良いのでしょうか?

スイス情報.com などのサイトを利用して自分自身で働き口を見つけることも可能ですが、スイスである程度、長期的に働こうと考えている場合は雇用主を見つけて、まずはビザの申請をしなければなりません。

スイスで長期的に働く場合は、スイスに支店がある日系企業、もしくはスイス系企業に応募する方法が、もっともメリットが多く、ビザ申請に関してもスムーズに進むのではないでしょうか。

スイス系企業の求人は、一般公開されている企業は非常に少なく、自分にあった職種を見つけることが難しい状況ですが、海外勤務に関しては非公開案件も多く存在しています。この非公開案件を見つけることで、自分にあった企業を紹介してもらうことが可能です。

非公開求人の情報を集める

海外就職を進めていく中で、よい求人を見つけるには、「転職エージェントから非公開求人の案件をオファーを集める」ことが一番良い方法になります。

転職エージェントでは、一般的な転職サイトでは見つからないような条件の良い求人を、エージェントが集めてきてくれて、優先的に紹介してくれることが最大のメリットです。

転職エージェントに登録することから採用されるには一切費用が発生しないので、外資系企業や海外就職に成功された方の例としては、「外資系や海外勤務に強い大手転職エージェント」に登録する方が、圧倒的に多いのが現状です。採用した企業から手数料をもらうため転職エージェントも、かなり親身になってサポートしてくれます。

外資系企業や海外就職に強い転職エージェントとして、求人件数が圧倒的に多いのは、20代・30代の転職・グローバル&海外就職に強い「ランスタッド」 、国内最大手の「リクルートエージェント」 になるので、この2社は必ず押さえておきましょう。

現地密着型の求人情報では、スイスの日系企業では、どのような仕事があるのか、また給料の相場などをチェックしても良いでしょう。

最後に

スイスやEU・EFTA加盟国以外の人たちでもどうしても採用したい場合になりますが、必然的にどんな人が必要かと言うのも見えてきます。欧米の外資系企業に加え、国際機関や地方自治体ではなく日本の国レベルでの公共機関の職員、研究職やエンジニアに加え和食の調理師なども該当するでしょう。

ヤング・プロフェッショナルズ・プログラムと言うものがあり、適用年齢は35歳未満になります。スイスでの雇用先が確定していることが条件となり、最大18ヶ月間限定ではあるもののスイスで労働許可が下りる制度なので、お見逃しなく。滞在許可は基本的には1年ですが、プラス半年延長が出来るので、詳細は日本にあるスイス大使館にお訪ねください。

一般的なスイスの就職では、事前に転職エージェントへ登録することをおすすめします。欧州留学中に登録してから仕事を見つけたい人には、最寄りのオフィスを訪ねてみるのも有効な方法となる場合もあります。

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