ルーマニアで働くには?日系企業の駐在員求人や現地採用の就職事情とビザ申請について

ルーマニアでイメージされるのが、妖精のように可憐な演技が素敵な女子体操のコマネチ選手が有名です。1976(昭和51)年に開催されたモントリオールオリンピックでは、幾度も見せてくれた10点満点の技に世界中が釘付けとなり、3個の金メダルを獲得しました。

また、近代的が街並みの首都ブカレストや『ドラキュラ』のモデルのブラン城があるブラショヴをはじめ、魅力的な街が各地に存在しています。ここでは、そんなルーマニアで働くにあたって、知っておくと役に立つ就職ビザや就職事情と求人等について、以下ご紹介致します。

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ルーマニアで働くには?ルーマニアの就労ビザについて

有効な日本国籍のパスポートを持っていて、ルーマニアで90日までの観光目的の滞在であれば、ビザは要りません。ルーマニアは、今はまだ未加入ですが、将来的には国境検査なしで加盟国間を行き来することが出来る、シェンゲン協定に加入予定となっています。また、ルーマニアで外国人は、例外はなく諸外国と同じように、就労ビザの取得が義務付けられています。

ルーマニアの就労ビザの種類や期間について

ルーマニアの就労ビザに関連するビザは、大まかに4つ程度あります。商業活動のための長期滞在ビザ・就労のための長期滞在ビザ(ワーキングビザ)・出向のための長期滞在ビザ・その他の目的の長期滞在ビザの4つです。ここでは、主に出向のための長期滞在ビザについてご説明致します。

出向のための長期滞在ビザ

出向のための長期滞在ビザとして、滞在許可証に加え、出向許可証か労働許可証が必要となります。順番としては、出向許可証か労働許可証を取得してから滞在許可証を申請するのが、一般的です。海外からの出向者の場合は、5年間に限り就航が可能です。出向社員の契約期間は最長1年、2年目以降は子会社との直接雇用契約が必要となり、出向期間はマックスで5年です。

外資系の欧州企業に所属で、EUおよびEEA(欧州経済領域)加盟国法人からの出向者の場合、その加盟国の滞在許可証を所持していれば、出向許可証は必要ありません。

滞在許可証

現地法人等で働く場合、先ず受入側である雇用主が労働許可証を入手した後に、当社の従業員の滞在許可証を申請することになります。現地法人や駐在員事務所、支店の代表である外国人の場合は、労働許可証の申請は不要で、滞在許可証のみ必要です。なお、出向者の場合には、労働許可証の代わりに出向許可証の取得が必要となってきます。

まとめとして、現地法人や駐在員事務所、支店の代表である外国人は、滞在許可証のみ。上記以外の駐在員は、出向許可証と滞在許可証が必要。現地採用の場合だと、労働許可証と滞在許可証が必要と言うことに、なります。

商業活動のための長期滞在ビザ

日本で言えば経済産業省に該当するビジネス環境・貿易・起業家精神省の承認に基づいて、投資を予定し、ルーマニア法人の経営、並びに管理をする外国人に付与されます。事業計画書に関連する書類が必要で、有限会社の場合は少なくとも10万ユーロ、株式会社だと15万ユーロが必要です。つまり、ルーマニア国内の起業ためのビザなので、詳細は各種エージェントにお問い合わせください。

ルーマニアの就労ビザの申請について

ここでは、出向のための長期滞在ビザの申請について、ご説明致します。滞在許可証を取得する際に、駐在予定者が用意しなければならない書類が幾つかあります。それらは、

  • パスポート
  • 出向契約書
  • 医療保険の加入証明書
  • 健康診断書
  • 住居証明書

ルーマニアの会社側が用意するのには、駐在員であれば出向許可証で現地採用だと、労働許可証になります。

出向許可証もしくは労働許可証の取得に必要で、現地で働く際にご本人が用意する書類は以下の通りです。

  • 最終学歴証明書
  • 履歴書(必要最低限ルーマニア語が話せると、必ず明記してください。)
  • 無犯罪証明書
  • パスポートのコピー・顔写真2枚

を用意してください。上記以外に出向、つまり駐在員の場合には、出向契約書と本国での雇用契約書のコピーが必要です。現地採用の場合は、ルーマニア企業との雇用契約書のコピー が必要です。

ルーマニアの就労ビザの申請の難易度

ルーマニアの就労ビザの申請の難易度が高いと聞いたことは、今までありません。現地人の雇用義務として掲げられているものやしばりも特に、ありません。ただ、日本人を雇用する場合に会社は、該当するポストに必要とされる条件を満たしている現地のスタッフがいないことを書面によって証明しなければなりません。必要条件は、「特定分野について相当長い経験がある」等が挙げられ、諸外国同様それほど厳しいものではありません。

ルーマニアの就労ビザの申請に必要な語学力

ルーマニアの就労ビザの申請に必要な語学力の定めはありませんが、1点注意をしておいてください。出向許可証もしくは労働許可証の取得の際に提出する書類の中で、履歴書がありますが、備考欄に必要最低限ルーマニア語が話せると、必ず明記してください。中級レベルや上級レベルであれば、勿論実力に見合ったように表記しましょう。

公用語は、ロマンス系言語のルーマニア語になり、イタリア語やスペイン語をかじったことがある人だと早く覚えそうです。ドイツ語にフランス語やハンガリー語も使われ、英語も若い人たちや都市部だと結構通じます。仕事では会社によって、ルーマニア語なのか英語なのか全く異なるので、どの言語が必要かを転職エージェントに問い合わせてみてください。



ルーマニアの就職事情と求人について

外務省の調べによると、ルーマニアに在留邦人数は318名、日系企業進出数は94名とされています。想像以上に日系企業も多く、首都にルーマニア日本人会とブカレスト日本人学校があるので、気持ち的にも安心します。1989(平成元)年に民主化されて以降、ルーマニは、文化的にも豊かになりました。舞台芸術やヴィジュアル・アートで新旧世界が混在し、自由を手にしたことで、国民の感性や表現に幅が出て来ています。

日本におけるルーマニア系企業

日本からルーマニアまでの直行便がなく、直接の結び付きがまだまだ少ないと言えます。日本文化があまり浸透されていないにも関わらず、親日家が多いのは現地で暮らす方にとっても嬉しいことです。ここでは、日本におけるルーマニア系企業についてご紹介致します。

ジーエイチスリールーマニア

東京都渋谷区代々木に事務所を構えるジーエイチスリールーマニアは、1989(平成元)年の民主化以来、日本とルーマニアの橋渡し役を行ってきました。ワインや養蜂製品をはじめとした貿易業に加え、日本からの取材陣にビジネスマンや観光客の受入れ、及び現地ルーマニアでのツアー・コーディネートを行っています。首都ブカレストにもオフィスを構え、ルーマニア国内の優良企業として、政府から何度も表彰されています。

WISE FINANCE SOLUTIONS SRL

人材派遣業や介護事業等で知られる、ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で人材サービス事業を運営する、ヒューマンリソシア株式会社の動きに目が離せません。2018(平成30)年末に、ルーマニアの首都ブカレストにヘッドオフィスを構えるWISE FINANCE SOLUTIONS SRLと、業務提携を行うとプレス・リリースしました。

WISE FINANCE SOLUTIONS SRLは、外資系企業に対して、ルーマニア国内での事業サポートを展開するコンサルティング会社になります。IT関連の人材の宝庫と称されるルーマニアを代表とする東欧地域からのITエンジニアの日本への送り出しを推進しています。

ルーマニアの現地採用

ルーマニアを、東ヨーロッパのシリコンバレーと表現する人が少なくありません。ソフトウェア開発や研究開発のアウトソーシングとして重要な拠点であったのが、年々起業家が増えています。人口が2千万にも満たない中で、ITスペシャリストの資格をもつ人数は9万5000人を数え、世界的にみてもトップ10内に入っています。IT関連に明るく英語が出来る人であれば、ルーマニアで働くのは、狙い目かもしれません。

IT・貿易関連

上記の日本におけるルーマニア系企業でご紹介致しましたWISE FINANCE SOLUTIONS SRLは、日本サイドの業務提携会社のやりとりが当然生じます。業務的には、ITエンジニアに加え、ルーマニア人の日本への送り出しになるので、総務的な仕事経験があると良さそうです。

また、ルーマニアワインの輸出にも力を入れはじめ、2019(令和元)年9月に貿易部門イースタン・エッグを設立したと、発表しました。貿易関連に加え、貿易業務と英語やルーマニア語に明るい人であれば、応募してみるのも良さそうです。加えて、口コミや求人サイトのチェックも有効になるので、ルーマニアのITエンジニアの職種で、アンテナを立てておきましょう。

日本語教師

数年前の調査になりますが、東欧諸国において、日本語学習者数が2番目に多いのがルーマニアです。日本語学習者数が2千名以上に上るわりには、日本語教師の数が、圧倒的に少ないと言われています。政府や大学の連携が少ないのが要因の一つに数えられ、今後両国の政治的な繋がりが強くなれば、一気に日本語教師の求人が増えると言えそうです。

旅行会社

ルーマニアの首都ブカレストには、大手旅行会社のJTBやH.I.S.の支店がありません。視点を変えると、日本人の旅行者が少なくないので、現地で働くチャンスがないわけではありません。エグザクト・ツアーの代表である女性社長は、お父さまがかつて日本大使館にお勤めになられ、幼少期に日本で7、8年暮らしたそうです。そのほかインバウンドや現地発着ツアーを取り扱っている、ブカレストにある旅行会社も狙い目です。

ルーマニアの駐在員求人

日系企業の進出先は、ルーマニ人が8割でハンガリー人が2割暮らす、ブカレスト近郊及びハンガリーに近いトランシルバニア地方に集中しています。日系企業による自動車産業関連の投資が特に多く、自動車部品の日本からの輸入も増加の傾向にあります。また、日本の大手商社の住友商事の子会社が現地の農業商社を買収する等、年々産業も裾野が拡がっています。

製造業

ルーマニアに進出している製造業で主な日系進出企業を挙げると、日本たばこに住友電装や日本電産、矢崎総業になります。日本電産は、2016(平成28)年に家電用電気モータ製造企業ANA IMEPを買収し、東南アジア同様に東欧でも存在感を発揮しています。

ITサービス事業

2013(平成25)年にNTTデータデータが、ルーマニア国内の教育・文化・工業の中心の一つに数えられるクルージュ・ナポカ市に本社を置くEBSを買収しました。EBSはIT査サービス企業であり、東ヨーロッパ地域のハブとして期待されるルーマニアのビジネス拡大に注目が集まっています。NTTデータは、EU諸国中でも遅れを取っていた、ルーマニアのデジタル化推進の一躍を担っています。

製造業

製造業での進出の代表的な日系企業は、ブリジストンやホンダ・トレーディング、ミツトヨです。ミツトヨは、海外59カ国に研究開発・生産・販売拠点を構え、ルーマニアで測定装置を製造しています。海外駐在員に人気の西欧や台湾、タイにも拠点があり、中途・新卒で求人募集を出していることがあります。

ルーマニアで働くには?就職の進め方について

それでは、ルーマニアで働くにはどのような情報を集めて、どのようにして準備を進めていけば良いのでしょうか?

直接現地で自分自身で働き口を見つけることも可能ですが、ルーマニアである程度、長期的に働こうと考えている場合は、雇用主を見つけて、まずはビザの申請をしなければなりません。ルーマニアで長期的に働く場合は、ルーマニアに支店がある日系企業に応募する方法が、もっともメリットが多く、ビザ申請に関してもスムーズに進むのではないでしょうか。

ルーマニア系企業の求人は、一般公開されている企業は非常に少なく、自分にあった職種を見つけることが難しい状況ですが、海外勤務に関しては非公開案件も多く存在しています。この非公開案件を見つけることで、自分にあった企業を紹介してもらうことが可能です。

非公開求人の情報を集める

海外就職を進めていく中で、よい求人を見つけるには、「転職エージェントから非公開求人の案件をオファーを集める」ことが一番良い方法になります。

転職エージェントでは、一般的な転職サイトでは見つからないような条件の良い求人を、エージェントが集めてきてくれて、優先的に紹介してくれることが最大のメリットです。

転職エージェントに登録することから採用されるには一切費用が発生しないので、外資系企業や海外就職に成功された方の例としては、「外資系や海外勤務に強い大手転職エージェント」に登録する方が、圧倒的に多いのが現状です。採用した企業から手数料をもらうため転職エージェントも、かなり親身になってサポートしてくれます。

外資系企業や海外就職に強い転職エージェントとして、求人件数が圧倒的に多いのは、20代・30代の転職・グローバル&海外就職に強い「ランスタッド」 、国内最大手の「リクルートエージェント」 になるので、この2社は必ず押さえておきましょう。

現地密着型の求人情報では、ルーマニアの日系企業では、どのような仕事があるのか、また給料の相場などをチェックしても良いでしょう。

最後に

日本の文化がそれほど浸透していないもののアニメや日本語に興味を持っているルーマニ人は、少なくありません。ブカレストやクルージュ・ナポカをはじめとする都市部では、公園が各地に点在しているので、生活環境も良好です。おとぎの世界のような風景のシビウやドイツ風の中世の街並みが残るブラショフにも滞在中に、足を延してみたいものです。

外資系企業、海外就職、グローバル企業に強い転職エージェント

「外資系企業」「海外勤務がある企業」へ転職したい方の中には、どのようなステップで応募すればいいのか悩まれる方も多いと思います。直接、会社のオフィシャルサイトで採用情報を記載されている企業もたくさんありますが、外資系企業や海外勤務のあるグローバル企業へ転職される方の大半は、「転職エージェント」を利用して転職される方がほとんどです。外資系企業・海外勤務のある企業へ転職する際には、それに特化した転職エージェントがあります。

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上記のエージェントは外資系・海外就職・グローバル案件の転職案件に強く、サポートもしっかりあるので、今後、「外資系企業」を目指す方は、登録しておさえておきたい転職エージェントになります。できる限り、1社に限定してしまわずに、2〜3社に登録をしてセカンドオピニオンを持たれることをおすすめいたします。

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