世界で最も親日国の一つに挙げられますが、日本の隣国である韓国や中国の人たちが、少ないのがエジプトです。文明のゆりかごと称される世界四大文明の一つであるエジプト文明の発祥の地で、神秘的なピラミッドをはじめ魅力が尽きない国です。
そこで、エジプトで働くに当って、知っておくと助かる就労ビザや就職事情と求人について、ご説明致します。
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エジプトで働くには?エジプトの就労ビザについて
エジプトへ入国するのには、有効残存期間が6カ月以上のパスポートとピザが必要となってきます。取得後30日間以内滞在が有効の観光ビザは、東京都目黒区青葉台にある在日エジプト大使館で申請出来ますが、カイロ国際空港でも簡単に取得することができます。
また、エジプトでは働くには、労働ビザが必要です。ここでは、主にエジプトの就労ビザについて、以下順を追って、ご説明致します。
エジプトの就労ビザの種類や期間について
現地駐在員ならともかく、日本企業の正規雇用で現地に派遣される場合でさえも、会社が現地法人としてエジプトに会社登記をしていないと就労ビザは下りません。外国人の就労に関しては、労働許可の取得が必要で、就労ビザの審査と発給状況は諸外国より、かなり厳しいと言われています。
外国人がエジプトで働くには、労働許可および居住許可の取得が必須となってきます。ここでは、先ず長期滞在に必要な「イカーマ」と呼ばれる居住許可証について、ご説明致します。居住許可証有効期限内で、出国後6カ月以内に改めてエジプトに再入国する場合は、入国査証が不要となります。居住許可証には、1年・3年・5年・10年の許可証があり、内容は以下の通りです。
1年許可証
通常の居住許可証となり、就労者をはじめ一般的な長期滞在者が対象となっています。更新可能なので、現地駐在員やエンジニア等の技術派遣での現地赴任、現地採用の人たちいずれも対象となります。
3年許可証
避難民等が対象となりますので、一般的には、ほとんど関わりがなさそうです。
5年許可証
投資家や国際結婚による配偶者と子供等が対象となり、更新可能です。経済面や移民政策によるもので、エジプトの国家にとって、メリットがあると言う位置づけです。
10年許可証
20年以上、継続して滞在している人たちを対象とする、言わば永住ビザに近いような特別居住許可で、更新可能です。一般的にエジプトで働く日本人は、1年居住許可証明が対象となり、少数ですが中には5年許可証を取得している人もいるでしょう。
エジプトの就労ビザの申請について
就労ビザに該当する労働許可証の期間は、居住許可証と連動していますので、一目瞭然です。一般的には、1年毎の更新制で、種類によって年間3千~5千ポンドの更新手数料が必要となってきます。尚、2019(令和元)年5月はじめのレートによると、1エジプトポンドが約6.4円なので、3千ポンドは、19,200円相当になります。
また、就労は勿論の事、それ以外でも6日間以上の滞在は、入国後1週間以内に移民局か警察にて外国人登録が必要となってきます。居住する場合は、移民局或いは管轄窓口になります。
エジプトの就労ビザの申請の難易度
エジプトの就労ビザの申請の難易度は諸外国より、かなり厳しいと言われています。それでも日系企業進出数は少なくなく、在留邦人数もかなりの数なので、安心材料はあります。エジプトで働くには、転職活動エージェント活用が最も効果的ですが、そんな中で厳しいと言われる状況をご説明致します。
先ず駐在員にしても現地採用でも会社が、現地法人としてエジプトに会社登記をしていなくても就労ビザは下りるといった、特例は聞いたことがありません。次に諸外国にも似通ったケースがみられますが、外国人労働者は、総従業員数の10%を超えてはならないと言うシバリがあります。また、観光ガイドおよび輸出入業・通関業は、労働力・移民省令によって、外国人の就労が認められていない分野に該当するので注意が必要です。
エジプトの就労ビザの申請に必要な語学力
就労ビザの申請に必要な英語力の定めがエジプトにあるとは、今まで聞いたことがありません。エジプトの歴史を紐解くと、1882(明治15)年にイギリスの保護国となり、1919(大正)8年に独立します。内容が美化された『アラビアのローレンス』と言う映画が世界的には有名ですが、欧米諸国へのアレルギー感が、エジプトの人たちの中にはあります。
複雑な歴史背景の中で、親日感情が芽生えると同時に切り離せないのが、言語の問題です。コミュニケーションを取るのに簡単な挨拶程度のアラビア語が出来るに越した事はありませんが、仕事ではほとんど英語を使います。エジプト人特有の英語の訛りがあると言われていますが、スピードも早くなく、比較的聞き取りやすい英語になります。
エジプトの就職事情と求人について
外務省の調べによると、エジプトに進出している日系企業の数は、約50社に上ります。在留邦人数は約1000名、カイロ日本人学校もあります。カイロ日本人学校の卒業生の進学先の実績を見ると、有名な公立や私立の学校の名前が挙がっているので安心です。ここでは、エジプトの駐在員求人や現地採用などついてご紹介致します。
日本におけるエジプト系企業
データを見れば、エジプトの親日度の高さが、一目瞭然です。在留邦人数が約1,000名に対して、在日エジプト人の数はその2倍近くの1,800名ほどです。日本が1936(昭和11)年にカイロ公使館を設置してからずっと、エジプトとは良好な関係を維持し、二国間の結び付きは経済だけでなく文化面でも行われています。ここでは、日本に進出しているエジプト系企業についてご紹介致します。
エジプト航空
エジプトのナショナル・フラッグ・キャリアなのがエジプト航空で、日本でも客室乗務員を募集している時があります。身長157cm以上で、TOEICスコアが550以上と言った内容なので、それほど厳しくはないようです。
エジプト航空は現在、日本を含む世界の70を超える都市と就航をしています。日本とはじめて結ばれたのは1962(平成37)年のことです。日本とアフリカを結び付ける最初の路線となった、パイオニア的な存在です。カイロ国際空港に拠点を構え、世界で7番目に古い航空会社と言う歴史を擁します。
バヒ・トラベルエージェンシー
東京都新宿区四谷の新宿通りに面した場所に日本事務所が置かれているのが、バヒ・トラベルエージェンシーです。1983(昭和58)年創業以来、日本人観光客に特化した事業を行っている、信用のある会社です。本社はカイロにあり、日本人の社員も在籍しているので、安心して利用出来ます。
日本国内の主要取引先では、JTBグループに近畿日本ツーリストや日本旅行をはじめ、大手と呼ばれる旅行会社になります。ツアー関連は勿論のこと、現地のイベント関連のプロデュースやメディア対応だけでなく、エジプトの日本大使館や領事館に至るまで業務を行い、幅広い活動を展開しています。
Kandil Steel(S.A.E)
カンディル・スチール社は、冷延・表面処理の事業を中心とした冷延鋼板や溶融亜鉛鍍金鋼板等の販売を手掛けるエジプトトップシェアを誇る企業です。創業1997(平成9)年で、ヘッドオフィスをカイロに構え、従業員数は1,000人ほどです。
北アフリカや中近東は今後の成長が期待されている地域であることに目を付けたのが、JEFスチール株式会社と伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社です。両社は、共同出資すると同時にカンディル社の株式を取得しました。
エジプトの現地採用
エジプトの現地採用の求人は、それほど多くはありませんが、その中で見つけるには幾つかのキーワードがあるようです。先ず日本人観光客や在留邦人数が多いことに目を付けると、不定期ではありますが、旅行会社と日本食レストランの求人が出ているケースを見かけます。メデイアでもお馴染みのエジプトの考古学の第一人者である吉村作治教授のような人生もいいかもしれません。
旅行会社、ツアーオペレーター
エジプトでは、観光ガイドは就労ビザの対象外になりますが、現地の手配を行うツアーオペレーターの募集が出ている時があります。旅行会社や添乗員としての就業経験があれば有利と言われ、アラビア語のスキルは求められず、一定の英語力があれば望ましいとされます。月給は15万円前後で、シェアハウスを利用すれば、月数万円の貯金も十分可能なので、安心です。
日本食レストラン、マネージャー職
日本人観光客だけでなく駐在員の利用が多い日本食レストランの求人が、エジプトも出ている時があります。一般的な接客に加え、マネージャーとして売上げやスタッフの管理を行うので、日本国内外にある和食のレストランと業務的にもあまり変わりません。パソコンやスマホの操作に明るければ有利で、メニューの作成に営業活動の報告とフェイスブック等のSNSでの発信、イベントの発案等、幅広い業務に対応出来る柔軟性が求められます。
考古学者
エジプト考古学の研究室は非常に限られていると言われ、研究者を目指すのであれば、吉村教授のように早稲田大学への進学を目指すのが一番です。大学院の研究室へ進み、博士号を取得し、研究を続けることになります。日本で大学准教授からはじめ、給料以外に著書や翻訳等で間接的にエジプト絡みで報酬を得ることになりそうです。
エジプトの駐在員求人
エジプトに進出している日系企業数は約50社、在留邦人数は1,000名前後です。エジプトから日本への主要輸出品目を多い順で並べると、第1位が鉱物性燃料で、第2位が電機機器です。日本からエジプトの主要輸出品目になると、輸送機器が最も多く、一般機器、鉄鋼と続きます。ここでは、エジプトの駐在員求人について、ご紹介致します。尚、エジプトで駐在員として働くには、転職活動エージェントの活用が一般的です。
味の素
世界各国で味の素ブラントは知られていますが、エジプトでの立ち位置も同様です。2011(平成23)年に、一般消費者向け調味料や加工食品の事業会社をエジプトに設立します。成長著しいアセアンと新興市場の南米に次ぐマーケットとして期待を寄せられ、将来的には、北アフリカ地域全体を視野に入れています。
日本たばこ産業
エジプトの大手タバコ会社のNakhla(ナハラ) 社の全発行済株式を取得したのが、日本たばこ産業です。ナハラ社は、古くから水タバコが好まれる中東や北アフリカを中心に世界85カ国へ輸出しているエジプト有数の大企業です。
大成建設
2005(平成17)年に、カイロに営業所を開設します。同年、在エジプト日本国大使館新築工事を着工、2007年(平成19)年に工事が完了します。今後もエジプトを中心にインフラ工事の営業展開を推進し、北アフリカ全域の現地における日系のゼネコンのリーダー的な役割を果たしていくでしょう。
エジプトで働くには?就職の進め方について
それでは、エジプトで働くにはどのような情報を集めて、どのようにして準備を進めていけば良いのでしょうか?
直接現地で自分自身で働き口を見つけることも可能ですが、エジプトである程度、長期的に働こうと考えている場合は、雇用主を見つけて、まずはビザの申請をしなければなりません。エジプトで長期的に働く場合は、エジプトに支店がある日系企業に応募する方法が、もっともメリットが多く、ビザ申請に関してもスムーズに進むのではないでしょうか。
エジプト系企業の求人は、一般公開されている企業は非常に少なく、自分にあった職種を見つけることが難しい状況ですが、海外勤務に関しては非公開案件も多く存在しています。この非公開案件を見つけることで、自分にあった企業を紹介してもらうことが可能です。
非公開求人の情報を集める
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現地密着型の求人情報では、エジプトの日系企業では、どのような仕事があるのか、また給料の相場などをチェックしても良いでしょう。
最後に
エジプト人と言えば神秘的なイメージがしますが、国民性からすると、親切な人が多いです。日本と言う国家や日本人に対して、リスペクト感満載の人たちも少なくありません。道に迷った際には、目的地まで連れて行ってくれるケースもあるほどで、生活面でも心地よさを覚えるでしょう。
そんなエジプトで働くには、先ずは転職活動エージェントに登録し、担当者とコミュニケーションをなるべく多く取って、仕事の情報を得ることが大切です。
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