アメリカ企業は、経理・財務・会計のトップにあたるポジションを、CFO(最高財務責任者)と言われています。日本の会社で言えば、財務部長・財務本部長とほぼ同じ意味合いを持ちますが、立ち位置的にはもっと上と考えて良さそうです。
持ち回りでいろんな部署を移動することが多い日系企業と違って、欧米だけでなく世界的にみても財務関連の仕事は、スペシャリストと見なされます。そこで、「海外で経理・財務・会計の仕事」について、国内外の平均年収や外国での就職事情等についてまとめてみました。
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海外における経理・財務・会計の需要
経理・財務・会計においてグローバル化が進む中で、国際財務報告基準(IFRS)を中心とした、会計基準の適用業務に携われる人材へのニーズが高まっています。
日本国内外でIFRSを任意適用した企業では、大手商社や製薬会社に加え、IT関連企業が挙げられます。多国籍企業に限らず、欧米や東南アジアのローカル系企業でも経理が出来る人材は重宝がられ。一年を通じて求人が出ています。
海外における経理・財務・会計の平均年収について
日本における経理・財務・会計の平均年収は560万円で、ご存じのように、たいてい年功序列型式になっています。29歳以下が400万円未満に対して、50代の平均年収は700万円を超えると言われています。ここでは、海外における経理・財務・会計の平均年収について、各国の状況をご紹介致します。
- 日本:350 ~560万円(2019年現在)
- アメリカ:400~1,500万円(2019年現在)
- メキシコ:200~620万円(2019年現在)
- イギリス:720万円(2019年現在)
- タイ:月収7万~12万バーツ(2019年現在)
- シンガポール:300~560万円
参考サイト:doda
2019(令和元)年9月18日のレートで1バーツが3.54円、ボーナスは出ないところと年2カ月分出る企業とで大まかに2つに分れています。よって上記の月収に12カ月~14カ月分掛けた金額の290万円~600万円を年収とみなします。なお。日系商社の経理マネージャー職であれば、10~15万バーツと言う求人案件もあります。
日本で経理財務の仕事経験がほとんどなければ、資格を持っていても年収300万円程度~スタートになるのが一般的です。
上記は、日本人の現地採用の一般的な平均年収になります。ただ、欧米はラテンアメリカやアジア諸国と違って、日本人が現地の人よりも給料がいいとは限らないので、全体的な平均年収を挙げています。実力主義のアメリカでは、資格や経験がそのままダイレクトに給料に反映しますので、平均年収の幅の広さは日本の2倍以上と考えていいでしょう。なお、メキシコやタイは、物価自体が日本の3分の1で、ものによっては半分以下なので、給与以上に生活しやすいです。
海外で経理・財務・会計になるために必要な語学力や資格は?
海外で経理・財務・会計の仕事で最も役に立つ資格の一つに挙げられるのが、「米国公認会計士」で、英語ではU. S. Certified Public Accountantと言います。
世界中に広く認知されたビジネスライセンスの一つと言われ、資格を取得すると、一般企業や会計事務所だけでなく行政機関等幅広いフィールドで活躍出来ます。また、必要な語学力についても以下まとめてみました。
海外で経理・財務・会計になるために必要な語学力
日系企業のメーカーでは、本社とのメールのやり取りが日本語で行われるケースもあるので、それほど英語を求められないこともあります。その場合は、最低限現地法人のスタッフと意思疎通出来る英語力か現地の言葉を身に付けておいてください。
たいていそのポジションと言うのは、社歴が長い人になりますが、若い世代は簡単な通訳を兼任することも十分考えられます。
中堅の管理職だと同じ管轄の域内の他国拠点の経理部立ち上げ支援や運営のために、出張で出掛けることがあります。海外において経理財務関連で働くには、大まかな目安としては、非英語圏やアジア方面では、TOEIC700以上は欲しいところです。
求人募集要項では、必要とする英語のスキルを明確にしていない場合もあるので、詳細は転職エージェントの担当者に確認してみてください。非英語圏で現地の言葉を習得する必要については、コミュニケーションを取れる程度で大方問題ないと思います。ただ、居心地がいい国を見つけて、幹部に登用される望みがあれば、ご自身の空いた時間で現地の言葉を学習してみるのも悪くなさそうです。
また、貿易用語同様に会計英語もスペルの間違いないように、確実に単語を覚えてください。たいていの国で経理の主任クラス以上になれば、中級レベルの読み書きと会話が出来ますので、困ることはあまりないと言えます。
英語圏や欧米諸国勤務であれば、TOEIC800点以上が望ましいです。TOEIC800点は、ニアイコールTOFEL換算では、570~573点になります。イギリスをはじめ欧州では、IELTSで大学留学レベルのB2以上を目指してみましょう。
海外で経理・財務・会計になるために必要な資格
米国公認会計士以外で、あると海外で働くのに有利とされる資格に国際会計検定(BATIC)があります。ブックキーパーに対する簡単な指示や英語による会計帳簿の記帳および管理が出来る320〜699のアカウンタントレベルがあると、仕事自体を見つけやすくなります。
実務経験に加え、日商簿記検定1級や公認会計士資格を持っていれば、比較的早い時期に海外での仕事が決まると言っても良さそうです。勿論日商簿記検定が2級や3級の人でも、職務経歴書を担当者が見て、内容が目に留まるものであれば、十分チャンスがあります。
英文にて職務経歴書を作成する際の代表的な資格
- 税理士 Licensed Tax Accountant
- 米国税理士 Enrolled Agent (EA)
- 日商簿記検定1級 / 2級 / 3級 The Official Business Skills Test in Bookkeeping,
- 1st grade / 2nd grade / 3rd grade
- 公認会計士 CPA (Certified Public Accountant)
- CPA(米国公認会計士) US CPA (Certified Public Accountant)
- CIA(公認内部監査人) CIA (Certified Internal Auditor)
- CMA(米国公認管理会計士) CMA (Certified Management Accountant)
- 中小企業診断士 Certified Small and Mediam Enterprise Management Consultant
- MBA(経営学修士) MBA(Master of Business Administration)
- 証券一種外務員資格 Certified Securities Broker Representative
- 証券アナリスト Securities Analyst
- 米国証券アナリスト CFA (Certified Financial Analyst)
- 国際公認投資アナリスト Certified International Investment Analyst (CIIA)
- ファイナンシャル・プランナー
(AFP / CFP) Certified Financial Planner(AFP / CFP) - 弁護士 Lawyer
参考サイト:「ビズリーチ」海外勤務求人特集
海外で経理・財務・会計になるために必要な経験や向いている人の特徴は?
ビジネスレベルの英語力や海外法人での経理経験のある方が会社側として歓迎しますが、求職中の人がほとんどそうではありません。中には語学力がそれほど高くなくて、経理の経験が浅くても海外での仕事を見つけることが出来ます。
海外で経理・財務・会計に必要なスキルや経験
勤務年数としては、5年以上の経理経験があると仕事を探すに有利とされ、
- PL=Profit and Loss Statement(損益計算書)
- BS= Balance Sheet(貸借対照表)
- キャッシュフローの確認や作成作業
などの業務に携わっていることが、ベースとなります。会社の規模よりもご自身が何をやって来たのかで待遇やポストも変わって来ます。決算対応できる方が一般的に望ましいとされ、連結決算までできる方はなお歓迎されるのは、国内転職と全く同じです。
年齢的に若く、外国語能力が高ければ、経理の経験が浅くても海外転職が可能です。伝票起票や経費清算と言った日次業務から月次業務、年次業務へと仕事の幅を広げていくことになります。ここでは、職務経歴書の書き方によって印象も変わってくるので、転職エージェントを上手に活用しましょう。
海外勤務における経理・財務・会計に向いている人の特徴は?
会計も現在はほとんどパソコン管理となっているので、ITの知識は大なり小なりあるに越したことがありません。エクセルやワードは、必須となってきますが、IT関連に詳しいと特に欧米の会社では重宝がられます。
プログラムによりシステム化することで自動化出来れば、コストコントロールを考える経営者にとって、うれしいと言わざるを得ません。なお、プログラミング能力に関しては、ほとんどの企業が求めているわけでないので安心してくだい。
また、一般的にはコミュニケーション能力は、普通程度と構わないと思います。仕事上目的や方向性が同じなので、意見がぶつかることもあまり考え難いです。何せ確実性や正確性が求められるので、集中力と落ち着きがある人が好まれます。海外勤務でも繁忙期が月の中にもあるので、そんな時は、気分転換が必要です。外国で働く際には、休日リフレッシュ出来る環境を見つけて、思い切り羽根を伸ばしましょう。
海外の経理・財務の就職事情と求人について
海外で働くにあたって仕事を見つけやすい国となると、どうしても日系企業進出数が多いところになります。経理・財務の求人案件数は、工場関連や営業職と同じか少し下回る程度で多く出されています。なお。日系企業進出数ランキングベスト50が掲載されているのが以下のサイトになるので、ご参照下さい。
参考サイト:日系企業進出数ランキングベスト50
海外における経理・財務・会計の現地採用について
現地採用で特に求人が多く出されている地域を挙げると、タイ・インドネシア・ベトナム・シンガポールをはじめとしたアセアン諸国になり、経理・財務の募集もよく見かけます。インドやメキシコも同様で、条件がある程度一致すれば、比較的早い内に仕事が見つかると言えそうです。
現在は日本にいながらにしても転職エージェントとスカイプを活用して、就職活動が出来ますが、最終面接は現地で行われることもあります。なるべく早い段階にて現地採用で仕事をゲットするには、日本人が多く暮らす世界の主要都市の転職エージェントのオフィスに行くのが効果的です。
履歴書と職務経歴書を英語、或いは場所によってはスペイン語等で用意して、現地のオフィスで簡単なオーラル・インタビューがあります。給与面や勤務地は、ある程度転職エージェントの担当者が希望を聞いてくれるので、余程要求が高くない限り気軽に相談してみましょう。上記以外に国や地域では、イギリス・ドイツ・フランスと言った西欧とオーストラリアやカナダ、ブラジル等も求人が出ているでしょう。
米国公認会計士と同じくイギリスの英国勅許公認会計士も試験が比較的簡単で、有資格者が多いと言われています。欧米では経験に加え資格の有無や語学のレベルによって、仕事の見つけやすさや待遇が随分と異なってきます。
海外における経理・財務・会計の駐在員求人について
海外における駐在員求人になると、PLやBS、キャッシュフローの確認や作成作業に少しでも携わっていることが、条件となりそうです。海外勤務で特に経理・財務の求人がよく出ている国は、アメリカになります。ここでは、セグメント的にアメリカ現地法人での採用は、年収的にも日系企業の駐在員と遜色ないので、こちらの方で説明致します。
平均年収が1千万円を超えるアメリカの求人案件もあり、年収の交渉をしてくれる転職エージェントの存在を忘れるわけにはいきません。中には1,200万円~1,500万のような高収入の案件もあるので、スキルに自信がある人は時間をかけて探してみましょう。また、海外勤務経験が5~7年以上あって日本に帰国し場合、同等レベルの給与を貰っている人が、今では少なくありません。
一般的な経理で海外駐在員として現地に出向する目安としては、経理経験が3~5年以上です。有資格を定めている場合は、日商簿記検定2級以上合格が望ましいとされています。就労ビザの関連で、学歴は専門学校卒か大卒以上と言うのが多いです。現地採用の場合、高卒でも語学が一定以上のレベルであれば、経理・財務の仕事を見つけるのは、それほど難しくはないです。
最後に
欧米では、経理・財務・会計の仕事は、プロフェッショナルな職業の一つに挙げられます、また、東南アジアの華僑の財閥系の会社では、管理職の位置づけが営業部長や工場長よりも経理部長の方が上だったりすることが、珍しくありません。
待遇も優遇されていて、日本と大きな違いは、男女の性別が全く関係なく、実力社会と言うことです。海外には日本で味わうことが出来ないチャンスに溢れていますが、まさに経理・財務・会計の仕事がそうだと言えるでしょう。
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