海外で働く看護師は国際看護師と呼ばれていますが、実際のところ、正式な資格ではありません。ジャパンハートやジャイカ(独立行政法人国際協力機構)などを通じて、国際ボランティア、あるいは直接海外で看護師として働くのが国際看護師です。
必要な手続きと資格は国や赴任先によって異なり、日本の看護師免許がなくても現地の大学に行けば資格を取れる場合もあります。ここでは、看護師の待遇と海外で働くためのポイント等についてご紹介致します。
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海外における看護師の需要
海外における看護師の需要は各地にありますが、エンジニアに営業職やカスタマーサポートのように、求人案件がそれほど多いわけではありません。それでも「ジャパンハート」や「ジャイカ」、「チーム国境なき医師団」では、世界各国に医療スタッフを派遣しています。そこで、先進国から発展途上国に至るまで、看護師の需要があると言って良さそうです。
海外における看護師の平均年収について
国内における看護師の平均年収は、ほかの職種より高いと聞いたことがある人も多いでしょう。安定した仕事と言われていますが、そんな看護師の各国の平均年収が気になるところです。中には、医師並みの年収のところもあれば、スキルや年収アップのために外国に働きに行く国もあります。
英語圏の先進国の看護師の平均年収は、日本よりかなり高めに映りますが、例外もあります。一人あたりGDPでは、日本を上回るアジア1位のシンガポールの看護師の平均年収は、日本円換算にして280万円です。
それゆえに、よりよい年収やポストを求めてイギリスや北欧に行く人達が少なくありません。シンガポールは東京並みに物価が高いですが、生活自体はしやすいです。暮らしやすい東南アジア、英語力をそれほど問われない国際有給ボランティア、欧米で高収入を得るなど働き方は人によって異なってきます。
参照サイト:転職会議
日本:450万~500万円
日本における看護師の平均年収は、450万~500万円とされています。賃金構造基本統計調査によると、女性社会人の平均年収は377万円を大きく上回ります。年収に男女差はほとんどありませんが、仕事がハードなのも看護師の特徴の一つに挙げられます。
北米エリア(アメリカ):800万~1,000万円
アメリカの看護師の平均年収は、日本をはるかに上回る800万~1,000万円と言われています。日本のように年功序列ではなく、アメリカらしい実力主義なので、専門性を身につけるために常に学びが必要となってきます。日本語に訳すれば、上級の看護職に該当するナースプラクティショナーだと、平均年収が1千万円以上も夢ではありません。
北米エリア(カナダ):540万~622万円
カナダの看護師の平均年収は650,000~750,000カナダドル(CAD)と言われています。2020(令和2)年の2月18日現在のレートによると、1カナダ・ドルが約83円なので、日本円換算にして540万~622万円が平均年収になります。
元々、就職に留学やワーキングホリデーで多くの日本人が暮らすカナダですが、看護師は人気の職業の一つに挙げられます。また、カナダは、年齢に学歴や語学力、職業経験など永住権の申請要件であるポイント制が導入されています。看護師であれば、永住権の応募要件を満たしやすいです。
ヨーロッパエリア(イギリス):20万~1,400万円
イギリスの看護師は、職種によってBandという9つのレベルに細かくセグメントされています。看護師助手で約15,400イギリスポンド(GBD)、最も上のレベルの高いナースコンサルタントになると、約98,500GDBが平均年収と言われています。
2020(令和2)年の2月18日現在のレートによると、1GDBが約143円なので、日本円換算にして220万~1,400万円がイギリスの看護師の平均年収になります。実力とやる気次第では、かなりの年収が見込まれるので、現地で活躍するシンガポール出身の看護師も少なくありません。
オセアニアエリア(オーストラリア):約546万円
オーストラリアの正看護師の給料は州ごとに異なり、平均年収は65,000オーストラリア・ドル(AUD)と言われています。2020(令和2)年の2月18日現在のレートによると、1オーストラリア・ドル(AUD)が約84円なので、日本円換算にして平均年収は546万円になります。
海外で看護師になるために必要な語学力や資格は?
海外で看護師になるために必要な語学力は、どのような方法で現地に就業するかによって全く異なります。国際有給ボランティアのジャイカの案件だと思ったよりもハードルが高くなく、多くの人たちが到達できるレベルと言って良さそうです。アメリカかイギリスのように先進国の英語圏では、ハイレベルの英語力が求められますが、経験や実力次第では、かなりの年収が見込まれます。
海外で看護師になるために必要な語学力
ジャパンハートでは、海外で看護師になるための必要な語学力の記載はなく、国内研修中に各自でオンライン英会話の受講ができるようになっています。ジャイカを通じて、青年海外協力隊やシニア海外ボランティアで仕事に就く場合もそれほど高い語学力を求められていません。
行き先によって必要とする言語が異なりますが、Dレベル以上、英検で3級程度が応募できます。語学スコアを取得した上で「語学力証明書」を提出する必要があり、取得可能なレベルと言ってよさそうです。
アメリカだとTOEICスコア725点以上、TOFELに換算すると540~550点程度になり、正規留学レベルが看護師として現地で働くことができる目安になります。言い換えると、欧米では、海外駐在員レベルの英語力を求められることになります。
海外で看護師になるために必要な資格
ジャパンハートでは、海外で看護師になるために必要な資格の中に正看護師と明記していることが多いようです。ジャイカの青年海外協力隊やシニア海外ボランティアでの看護師募集でも国家資格が必要としています。保健師に助産師や糖尿病療養指導士資格などの資格があると、対応できる活動範囲がさらに広がり、合格採用に結びつきやすくなります。
アメリカ
日本の看護師免許は、履修単位をそのまま移行できるので、アメリカでも有効となります。ただ、アメリカで正看護師になるには、必要な専門知識と英語力を図る試験に合格しなければなりません。試験に合格する英語力は上記の「海外で看護師になるために必要な語学力」でも紹介した通り、TOEICスコア725点以上、TOFELに換算すると540~550点程度になります。
イギリス・カナダ
イギリスやカナダは、看護師になるために学士の取得が必要となり、大卒でない場合には、現地の学校に通うことになります。イギリスでは、日本で4年制大学を卒業し看護師国家資格を擁している場合だと、勤務時間のトータルが500時間以上の経験があることが条件に挙げられます。
オーストラリア
オーストラリアは、現地の看護協会に看護師として登録する必要があり、現在のステータスによって手順が異なります。学士や正看護師を取得している人だと、12~24週間の研修プログラムを受講することになります。医療短大か看護専門学校を卒業して、正看護師資格を保持している場合だと、通常より短い1~2年看護学コースで学ぶことにより、正看護師協会へ登録できます。
上記の3カ国はいずれにしても英語力の審査があり、アメリカと同じぐらいかそれ以上のレベルの英語力が必要となり、各国や州によって詳細は異なります。
海外で看護師になるために必要な経験や向いている人の特徴は?
一般的に海外で看護師になるためには、先進国に行くのか某期間を通じて派遣されるのかによって、必要な資格にスキルや経験が異なります。
英語圏であれば英語力、先進国だと学位取得が必要となり、ケースによっては現地で看護学コースを学ぶこともあります。ジャパンハートやジャイカを通じて海外に派遣される場合の実務経験は、3~5年以上とされています。
海外で看護師に必要なスキルや経験
ジャパンハートでは、海外で看護師になるために必要なスキルや経験として、臨床経験3年以上と明記しています。
ジャイカの青年海外協力隊やシニア海外ボランティアでの看護師では、実務経験年数は3年以上、より専門性が求められる場合には5年以上が望ましいとされています。
そのほか勤務地の要請によって、プライマリ・ヘルスケアや母子保健や特定の疾患や部署でのスキルや実務経験などがあると重宝がられます。
先進国の英語圏では、高い語学力や学士習得が求められますが、一般的に年収は高いです。ハードルが高いと感じる人は、短期間の海外ボランテイアに参加するのも一つの選択肢と言えます。英語力をブラッシュアップしながら自己肯定力を高め、ジャパンハートやジャイカ、チーム国境なき医師団などの募集に応募してみるのも悪くなさそうです。
海外勤務における看護師に向いている人の特徴
海外では職場においての仕事が細分化されていますが、看護師も例外ではありません。専門分野においては医師と同レベルに扱われることがあるので、上のポジションに行けば行くほどプロ意識が求められます。
休暇も取得しやすく、中には4~5週間長期休暇を取得できるのは、まさに海外ならではと言えそうです。国内同様海外においても看護師に向いている人の特徴は、協調性やコミュニケーション能力が備わった人が挙げられます。また、外国では異文化になるため、その国や事業所の習慣や規則に慣れる順応性が必要となってきます。
海外における看護師と求人について
ジャパンハートにジャイカやチーム国境なき医師団では、一年を通じて、募集しています。チーム国境なき医師団では、2次試験の外国語が英語、またはフランス語で行われます。募集内容によって勤務内容も異なりますが、確率的には高くないでしょうが、希望の勤務地を考慮してもらえることもあるようです。
海外における看護師の現地採用について
海外の看護師の現地採用ですが、求人サイトか転職エージェントの活用が一般的になります。インターネットのキーワードでは、「働いてみたい国の名前」「看護師」「求人」で検索すると、比較的ヒットします。ウェブサイト求人掲示板や各国の看護師協会からの情報も活かしましょう。サイトを通じて、看護師リクルーターの担当者に連絡してみるのも一つの選択肢に入ります。
タイの看護師の面接では、「患者さんから贈り物をもらったことがあるかどうか」聞かれる場合があります。仕事が出来る看護師ほど患者さんからチップをもらうことが多いというのは、優秀な証のようです。また、タイやマレーシアでは患者さんと医師や現場の医療通訳やコーディネーターの求人が、一年を通じて出ています。
海外における看護師の日系企業求人について
日本の病院では、徳洲会が海外に拠点を構えていることで、知られています。韓国やブラジルで病院を運営し、特にブルガリアの首都にある徳洲会ソフィア病院の評判がいいようです。アメリカとブラジルをはじめ南米では、日本人や日系人が経営する病院やクリニックがあります。また、北原病院グループは、ベトナムにラオスやカンボジアで、アウトバウンドの海外事業を展開しています。
グループ系列になると基本的には、転職エージェントや求人サイトを活用し、個人経営であれば、直接病院にコンタクトを取ってみるのも悪くないでしょう。
看護師の資格と経験を活かした海外転職の場合だと、「JAC Recruitment」がおすすめです。
最後に
何を求めるのかによって勤務地も大きく異なってくるのが看護師ですが、いずれにしてもポストや収入が比較的ダイレクトに反映してくる仕事と言えそうです。
国によっては、看護師として現地での勤務年数が直接永住権取得に有利に働くこともあります。各国ごとに医療事情や生活習慣、文化が異なるので、いろんなことを吸収してみましょう。
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