手に職を持っていると言うのは自身にとって強力な武器になるため、美容師は調理師同様国内外で引く手あまたです。加えて日本のカルチャーが世界的に高く評価を受けていることもあり、海外での就職も可能な職種に挙げられます。
「外国人がとらえる日本の魅力」をクールジャパンとご存じの通り、表現されていますが、美容関連のジャンルも当然含まれます。そこで、そんな魅力的な職業である美容師の待遇と海外で働くためのポイント等について、以下ご紹介致します。
海外における美容師の需要
日本人が多く住む海外では、美容師の需要がほぼ確実にあると言っていいでしょう。特に台湾やタイをはじめとした東南アジア、オセアニアのように日本女性が多く暮らす地域や国では、日本人の美容師が活躍をしています。
海外における美容師の平均年収について
イギリスの美容師の年収は、マネージャークラスで300万円を少し超える程度なので、ドイツとそれほど変わりません。ヨーロッパでは語学習得や現地の文化に触れることが楽しみとなってきて、個人で直接お店にコンタクトを取るよりも求人サイトや転職エージェントを活用してみてください。
また、お金を稼ぐとなるとアメリカやシンガポールになります。東南アジアのタイだと日本円換算にして月収14~21万円円が相場ですが、物価が日本の半分以下なので、生活はタイトではありません。
日本人の美容師の平均年収は、一般のサラリーマンよりやや下回るようですが、手に職があるのは心強いです。そこで、海外での就職をと想定した場合に、以下、アメリカにオーストラリアやドイツ、シンガポールと言った日本人に人気の国の平均年収についてご紹介致します。
日本:325万円(2024年)
美容師の平均年収は、参照サイトによると、325万円*ということですが、平均年収325万円(20代が284万円・40代だと400万円が平均)は、インターンを含む数字で、2025年の最新求人情報でも大きく変わっていません。働く地域や、実力のあるフリーランスによって収入が大きく異なる職業といえます。*参照サイト
アメリカ:約546万円 (2024年)
アメリカの美容師(ヘアスタイリスト)の平均年収は、勤務形態や地域、経験年数によって大きく異なります。米国労働統計局(BLS)によると、2024年5月時点での美容師の中央値時給は$16.95で、年間換算すると約$35,256(約546万円、1ドル=155円換算)です。*参照サイト
一方、求人情報サイトIndeedでは、平均時給が$24.11と報告されており、年間で約$50,149(約778万円)となります。経験豊富なシニアスタイリストや高級サロン勤務の場合、年収が$60,000(約930万円)を超えることもあります。収入は、地域やサロンの規模、個人のスキルや顧客数などによって大きく異なります。
オーストラリア:約830万円(2025年)
オーストラリアの美容師の平均年収は約72,375オーストラリアドル(約830万円、1AUD=115円換算)で、経験や地域によって差がありますが、シドニーでは平均年収が約75,000ドル(約862万円)と高めです。
経験豊富なシニアスタイリストや高級サロン勤務の場合、年収が77,500ドル(約891万円)を超えることもあります。収入は、地域やサロンの規模、個人のスキルや顧客数などによって大きく左右されます。*参照サイト
ドイツ:約550万円(2025年)
ドイツの美容師の平均年収は約34,347ユーロ(約550万円、1ユーロ=160円換算)で、地域や経験により差がありますが、例えばミュンヘンでは平均年収が約33,078ユーロ(約530万円)と、全国平均よりやや高めです。
経験豊富なシニアスタイリストや高級サロン勤務の場合、年収が40,000ユーロ(約640万円)を超えることもあります。収入は、地域やサロンの規模、個人のスキルや顧客数などによって大きく左右されます。*参照サイト
シンガポール:480万~600万円 (2025年)
2024年の国民一人当たりのアジア諸国の中でトップを誇る90,689ドルのシンガポールが、美容師の年収も中々いいようです。シンガポールのヘアスタイリストの平均年収は約36,000〜43,000シンガポールドル(約414万〜497万円)とされています。
経験を積むことで収入も上がり、10年以上のシニアクラスでは年収600万円以上も可能です。高級サロンや富裕層向けのサロンでは、月収が10,000ドル(約115万円)を超えるケースも。地域やスキルによって幅があり、キャリアアップ次第で高収入も目指せる職種です。*参照サイト
海外で美容師になるために必要な語学力や資格は?
日本と経済的に結び付きが深いドイツや韓国では、日本同様美容師として働くには、特定の免許が必要となってきます。アメリカ、カナダ、ドイツ、フランスなども同様で、国家資格や州資格が必要です。
オーストラリアやイギリスは比較的緩く、無資格でも働ける場合がありますが、ビザ取得には資格や経験が求められることが多いです。台湾など一部アジアでは日本の資格が評価される場合もあります。
ここでは、海外で美容師になるために必要な語学力や資格についてご紹介致します。
海外で美容師になるために必要な語学力
海外の美容師の求人案件で、日本人が多く暮らすエリアであれば、語学力不問のケースも中にはあるでしょう。ただ、現地で生活する上にオーナーやスタッフとのやり取りもあるので、最低限必要な語学力習得のために、短期の語学留学も視野に入れるのも悪くありません。
専門用語もなるべく早くマスターして、積極的にスタッフや現地でお友達になった人達と会話をしてみてください。シンガポールのように固定給プラス実績給になっているようなシステムのお店もあるので、レベル的には、出来れば英語を使って普通にコミュニケーションが取れるといいでしょう。
台湾では中国語、タイではタイ語のように現地の公用語が必要な場合もあるので、詳細は就業先のお店か求人サイトの担当者に問い合わせてみましょう。
海外で美容師になるために必要な資格
国よって美容師資格の取得条件は全くとなりますので、事前に働いてみたい国や地域とお店を調べてみてください。台湾のお店のように日本の美容師の資格がそのまま活かされる場合もあります。
アメリカでは、以下のような方法でライセンス取得が可能ですが、
- カレッジでライセンス取得
- 専門学校でライセンス取得
- 美容専門エージェントのバックアップでライセンス取得
日本で美容師免許がなければ、以下の1か2の方法、すでに美容師免許を持っているのであれば3のような方法も有ります。
カナダは、ヘアスタイリストと理容師と言う資格があり、州によって協会が試験を扱うところもあるもののすべて国家試験になります。フランスで外国人が美容師として働くには、職業免許の取得が必要で、国ごとに内容が全く異なります。
海外で美容師になるために必要な経験や向いている人の特徴は?
日本人女性に海外移住先で人気のカナダのバンクーバーでは、美容師歴が3年以上あれば、求人条件を満たす場合が少なくありません。必要な経験やスキルは、求人内容によって異なりますが、いずれにしても日本人の技術力は高く評価されています。
海外で美容師に必要なスキルや経験
美容専門学校やインターン等で一定のカリキュラムを修了して、国家試験をもつ日本人の美容師は、海外でも高い評価を受けています。また、髪質が日本人と異なることも少なくはないので、お客様に合わせた施術が出来る要素が求められるでしょう。現地のヘアスタイル事情に加え、日本のトレンドを簡単に説明出来るぐらいの語学力も身に付けておきたものです。
ほかの専門職も同様の傾向が見られますが、器用不器用はそれほど関係ないと言われています。場数と練習をこなせば上達するのが美容師の仕事なので、あきらめない精神力が備わっているといいでしょう。
なお、美容師イコールお洒落のイメージが外国でもほぼ同じなので、ファッション関連には、常にアンテナを張っておくと良さそうです。
海外勤務における美容師に向いている人の特徴
日本人の技術は確かに高く、同様に勤勉さも認められてはいますが、日本での美容師の技術が100%通じるほど甘くはないかもしれません。世界各国の大都市は国際都市なので、いろんな人種の人達がお客様になります。
固定概念を捨てることからまずははじめてみて、何よりも臨機応変な姿勢で臨むことが求められそうです。真摯な仕事ぶりが好評なのは間違いないでしょうが、その国や地域の話題を交えながらユーモアがあると、更にいいでしょう。
また、美容師は立ち仕事になるので、体力はないよりあるに越したことがありません。総体的にくじけない気持ちと明るい性格に加え、やる気がある人が向いています。
海外の美容師就職事情と求人について
海外の美容師の求人の主なソースになるのが、求人サイトやフリーペーパーや日本人向けの現地のことを紹介している有料の日本語の新聞、または転職エージェントになります。
海外における美容師の現地採用について
求人サイトでの現地採用の求人が最も効果的と言えますが、フリーペーパーや日本語新聞を活用すると、一般的に面接後から採用までの期間がかなり短いです。また、直接お店を訪ねる、あるいは既に現地で暮らしている日本人から紹介してもらうと言うケースもあります。
現地採用になると、日本の本店採用よりも月収はやや低くなりますが、求人の量的には多そうです。日本と違って家賃や住居関連の補助は少ないかもしれませんが、念のために求められる語学力のレベルと福利厚生を確認してみてください。
海外における美容師の日系企業求人について
日本人の高い技術力ときめ細やかなサービスは外国でも人気があり、海外に進出する美容室も年々増加の傾向にあります。日本人のカップルを対象とした、ウェデイングドレスの着付けやブライダル関連を外国で展開しているところもあります。
転職エージェントの中には、美容師の求人案件を取り扱っているところも少数になりますが、美容師、または美容業界ということであれば、国内最大手の「リクルートエージェント」 グローバル展開をしている
「ランスタッド」 は押さえておきたいところです。
最後に
クールジャパン、及びインバウンド分野に関して、政府は外国人材の受入れや就業の促進を推進しようと言う動きがあります。その中に美容師の国家資格を取得した外国人留学生に在留資格を認める法案が前向きに検討されています。
美容師は、今後外国と結び付きも深まる国際的な仕事になり得ようとしています。また、国内外で就職する以外にも各地で独立出来るので、やる気次第ではいろんなチャンスがある仕事と言えます。
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