海外就職を考えられている方にとって、すでに海外就職・海外移住された方の体験談は非常に貴重なものです。今回は、ペルー・リマで日系企業の現地採用として、海外就職された経験のある40代女性（旅行会社）の方に、海外就職体験談を語っていただきました。
海外に渡航するまでの日本においての経歴（仕事、経験、学歴など）を教えてください
都内の４年生大学を卒業後、某カード会社コールセンターのカスタマーサービスで２年ほど勤務。クレジットカード会員からのお問い合わせや各種変更の受付をしていました。その後、地方のリゾートホテルにて予約受付業務を行いました。
海外に渡る前には通信系の会社で一般事務をしていました。事務の仕事では５００人程いるフロアスタッフの着任離任手続きや勤怠管理、会議資料のとりまとめ、資料作成などこまごまとした仕事を行っていました。
なぜ海外で働いてみたいと思いましたか？
旅行で訪れたペルーが気に入り長く滞在しているうちに、働いてみたいなと思いました。インターネットでも仕事を探しましたが有益な情報はなかったです。そうこうしているうちに現地で知り合った日本人に仕事を紹介され、働いてみようと思いました。
この国では紹介で働きだすことが多く、インターネットで探して就職することは難しいと思います。企業も信用できる人を入れたいので、誰かの紹介という人を多く採用する傾向にあります。これは数年前も今も変わっていないです。
海外での業務（業種・職種・仕事内容）と給与面や福利厚生などの満足度について教えて下さい。
旅行会社で働いていました。主に現地日本企業の旅行や航空券、イベント手配業務です。私が働いていた会社は安月給で長時間勤務だったので不満でした。給料面においてはペルーの平均的な給料だったとは思いますが、日本と比べるとどうしても安月給と思えてしまい、また勤務時間に見合っていなかったです。
福利厚生は年間に休暇が１５日、退職金積み立てと、保険加入がありました。ただし、この保険加入は対象の病院が現地の安い公立病院のみで良い病院ではなかったので会社の保険を使って病院にいったことはないです。
どのようなビザで滞在していましたか？
会社で労働ビザを取得してもらいました。最初のビザ取得には日本から戸籍を取り寄せ、スペイン語の公式書類にしたものや、無犯罪証明書などが必要でしたが、すべて会社が使っている代行会社が手続きをしてくれました。
それでも２か月程取得にかかりました。ビザは１年おきに更新が必要で、そのたびに手続きをしに入国管理局に行く必要がありました。
海外で働いたメリットは？
メリットはスペイン語が上達したことと、日本ではできないような経験ができたことです。語学に関してはもともと日常会話はできましたが、仕事で使うような言葉は働きだしてから学びました。そして、ペルーだけではなく南米の様々な国の人とも仕事上やりとりをすることも楽しかったです。
また外国人だけではなく日本人でも日本にいた時には知り合えなかった他業種の人など色々な方と知り合えたのも良い経験になりました。そして、職業柄安い航空券やホテルの割引などを利用し南米のたくさんの国を安く旅行できたことも良かったです。
海外で働いたデメリットは？
まず大変だったのは異なる習慣の人と働くことです。性格がきつい同僚も多く、感情を隠さない国民性のせいか、何かをお願いしたときに露骨に嫌な顔をされたりすることがあり最初は辛かったです。
待遇面については、日本より物価が安い国なので、現地採用の場合給料が安いことが不満でした。ペルーにいる分には問題ないですが、日本の友人などと比べるとどうしても給料の安さが気になってしまい落ち込みます。また、祝日が少ない国なので休みも少なく感じました。
海外で就職を考えている方にアドバイスをお願いします
物価や給料が日本並みの国なら問題ないと思いますが、物価が安い国で現地採用として働く場合は給料面については最初に妥協せずによく考えたほうがいいです。その国で普通に暮らせる金額でも、日本に一時帰国する時などにお金がいりますし、ちゃんと貯金ができるような金額なのかという点はみたほうが良いです。
最初は海外で働いてみたいという思いが強くどこでも良いから就職したいと思う方もいるかもしれませんが、どんなにやりがいがある仕事でも数年すると給料や福利厚生の部分などだんだん気になってくることがありますので最初の時点で気を付けましょう。とアドバイスしたいです。
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